研究分担者 |
苔口 進 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10144776)
前田 博史 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00274001)
井上 哲圭 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20223258)
児玉 孝雄 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (30034200)
西村 英紀 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80208222)
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研究概要 |
当初,口腔連鎖球菌Streptococcus sobrinus 6715株不溶性グルカン合成酵素(GTF-I)のN末端領域を一部欠損したGS-6Rの結晶化を検討していたが,結晶解析に供しうる良質な結晶を得ることが困難であった。このことから,N末端部を完全な形で保有することが良質の結晶化に重要ではないかと推測した。本年度は完全長GTF-Iの精製を行い,純度の高い標品が得られたが,なお収量的に結晶解析に充分な量を得るまでには至っていないため,次年度は引き続きGTF-Iの結晶化を行う。また,C末側のデキストラン結合ドメインを欠損し,触媒ドメインのみを有するGSについても結晶化を進める。一方,GTF-Iタンパク質をネガティブ染色し,電子顕微鏡写真を画像処理することにより,その構造的特徴を調べた。デキストラン存在下において,デキストランに結合していると考えられる分子の存在領域を解析した。GTFの触媒ドメインと考えられる投影像は,ほぼ中央に低密度の部分を有す,円形に近い形であることが明らかとなった。円の周辺部には局所的に高密度な領域が見られた。アミノ酸配列からの2次構造予測によって,触媒ドメインはα-amylaseなどのもつTIMバレルを部分構造としてもつことが推測されているが,以上の結果はその存在位置を示唆した。また,昨年度,口腔連鎖球菌Streptococcus cricetus HS-6の2種類の水溶性グルカン合成酵素の発現系の構築を行ったが,それらの酵素による産物を調べたところ,ホモロジー解析の結果から予測されたように,一つは水溶性,もう一つは難溶性のグルカンを合成した。ザイモグラムにより,電気泳動に際しSDS存在下98℃で熱処理した標品でも,グルカン活性を保持していることを確認した。次年度は,これらの酵素タンパク質の結晶化条件の検討を行う。
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