研究課題/領域番号 |
13557165
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堤 定美 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00028739)
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研究分担者 |
玄 丞烋 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (90283655)
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キーワード | 人工歯根 / 歯根膜再生 / コラーゲン固定化 / 三次元培養 / チタン-EVA接着 / コラーゲンスポンジ / 回転播種法 |
研究概要 |
歯根-セメント質-歯根膜-歯槽骨の関係を再生するハイッブリッド型人工歯根の開発研究を行っている。 1)チタンインプラントにエチレンビニルアルニコール共重合体(EVA)を被覆し、表面処理後、コラーゲンを固定化した材料上に歯根膜細胞を培養し、動物顎骨入への埋入試験を続けてきた。 2)イヌ顎骨に3月間埋植され力学的刺激を受けた人工歯根周囲には天然歯と同様に歯根面と歯槽骨を結ぶシャルピー繊維を有する歯根膜の再生が観察された。 3)歯根膜には様々な細胞が共存することがわかり、これらの細胞の増殖・分化をコントロールすればセメント質や歯根膜を含む歯周組織全般を人工歯根上に再生させることが可能と考えられる。 4)そこでセメント質の再生を目指して、ハイドロキシアパタイト(HAP)固定化基材上での歯根膜細胞の培養と機能発現について実験を始めた。 5)EVAフィルムを種々の条件でオゾンガスに暴露し、酸化反応によりカルボキシル基を導入した。このフィルムを200mM CaCl_2/50mM Tris-HCl溶液(pH7.4)と120mM Na_2HPO_4水溶液に25℃で12時間、交互浸漬を繰り返すことにより表面にアパタイトを固定化した(HAP-EVA)。得られた基材上で歯根膜細胞を培養し、増殖や機能発現について検討した。 6)オゾン処理によりカルボキシル基を導入したEVA上にはカルシウムやリン酸塩の固定化が可能であり、表面のカルボキシル基量、繰り返し回数に依存してアパタイトを固定化することができた。 7)細胞増殖能に関しては、コラーゲンを固定化した表面が最も高く、HAP-EVA表面が最も低かった。 8)アルカリ性ホスファターゼ活性は培養後2週間でHAP-EVA上で培養した時が最も高かった。これらのことから、播種した歯根膜細胞が骨芽細胞様に分化したことが考えられた。
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