研究課題/領域番号 |
13557178
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
浜川 裕之 愛媛大学, 医学部, 教授 (20127905)
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研究分担者 |
立川 哲彦 昭和大学, 歯学部, 教授 (10085772)
新谷 悟 愛媛大学, 医学部, 助教授 (80294429)
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キーワード | green fluorescent protein / 口腔扁平上皮癌 / リアルタイム定量PCR法 / 頸部リンパ節転移 / SCCA / 絶対的定量法 |
研究概要 |
本年度は、頸部リンパ節微小転移の絶対的定量法の確立を目的に、培養細胞を用いた細胞段階希釈法、green fluorescent protein (GFP)遺伝子導入口腔扁平上皮癌培養細胞株によるヌードマウス頸部リンパ節転移モデルを用いて検討した。In viroでの検出限界は、ヒトBリンパ球由来細胞B-lymphoblastoid cell line (B-LCL)と、口腔扁平上皮癌培養細胞OSC-5を用い、10^6個相当のB-LCLに、OSC-5を10^6個から1個程度に段階的に希釈、混和してサンプルとして検討した。 その結果、conventional PCR法では、SCCA、CK13とも1×10^2個程度まで検出可能であり、リアルタイム定量PCR法では、1個相当の検出が可能であった。In vivoの検討には、ヌードマウスの舌に正所性にGFP発現高転移細胞株SAS-T5を移植する転移モデルを用いた。GFP-SAS-T5(1x10^6個)をヌードマウスの舌に同所移植し、3週間後に屠殺して実体顕微鏡下で頸部リンパ節への転移状態を観察し、摘出したリンパ節内のSCCA mRNA発現量を検索した。GFP-SAS-T5を舌に同所移植したすべてのマウスに頸部リンパ節転移が認められた。転移巣の大きさは、さまざまであり、リアルタイム定量PCR法では、conventional PCR法で検出できなかった微小転移巣も検出可能であった。また、これらのリンパ節転移巣の大きさとSCCA mRNAの定量値に関連を認めた。以上の結果を関連学会(日本癌治療学会総会、日本口腔腫瘍学会総会)で報告した。 転移機序の解析については、血管新生と関連明らかにし、また、ヌードマウスの舌に正所性にGFP発現高転移細胞株SAS-T5を移植する転移実験がリンパ節転移の解析に有用なモデルであることをOral Oncology (2002 in press)に報告した。
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