研究課題/領域番号 |
13557184
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
於保 孝彦 九州大学, 歯学部・附属病院, 講師 (50160940)
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研究分担者 |
吉田 康夫 九州大学, 大学院・歯学部研究院, 助手 (10315096)
嶋崎 義浩 九州大学, 大学院・歯学部研究院, 助手 (10291519)
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キーワード | 口臭 / 揮発性硫化物 / アンモニア / メタン / 歯垢 / 舌苔 |
研究概要 |
本研究では、新しい口臭の診断法と治療法の開発を目指して、まず実際に口臭を主訴とする患者の口臭の種類と強さについて調べた。口臭の主な原因物質は、口腔内に存在する菌が食物や白血球、口腔粘膜落屑上皮等のタンパク質を分解代謝する際に産生される揮発性硫化物(VSC)であるといわれているが、官能試験ではVSC以外にも様々な臭気を感知する。官能試験は現在最も有用な口臭の診断法であるが、検査者の主観によるため、検査者間でその判定に差を生じることも少なくない。そこで臭い物質の予備的診断を目指して、「臭いセンサー」を用いて臭いの種類とセンサーの反応との関係をクラスター分析を用いて調べた。その結果、独特の強い不快臭は分類できるものの、かろうじて感知できるレベルの不快臭を細かく分類するのは困難であった。また、VSCの代表的な成分である硫化水素、メチルメルカプタンの標準ガスを用いてセンサーの反応を調べたところ、濃度依存性の反応は認められなかった。 そこでこれまで報告されている臭気物質についてその強さと口腔内状態について調べることとし、まず、アンモニアについて分析を行ったところ、以下の結果を得た。 1)尿素溶解液で洗口した後のアンモニア産生量をポータブルアンモニアモニターで測定し、官能試験、ガスクロマトグラフィーによるVSC測定結果と比較したところ、アンモニアレベルと総VSC量の間に有意な相関が認められた。 2)口腔内から採取した歯垢および舌苔中に存在する口腔細菌から産生されるアンモニア量は、VSC中のメチルメルカプタンのレベルと有意な相関が認められた。 3)アンモニアレベルは、歯垢および舌苔の除去後に有意に低下した。 以上の結果から、アンモニアレベルは口腔清掃状態を反映することが示唆された。
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