研究概要 |
本研究の目的は、生体内ばかりでなく歯肉溝での生体防御に関わる複数の因子の遺伝子多型性に着目して歯周病患者における多面的な解析を行い、健常者との間ならびに病態(発症時期、臨床的な重症度など)の異なる患者間で比較検討することにより、歯周病感受性を決定している遺伝子群を明らかにすることである。今年度の研究においては、歯周炎患者からの試料採取を継続して行うとともに、各種炎症性ならびに抗炎症性サイトカインmRNAのリアルタイムPCRによる定量的検出方法を確立した。また昨年度においてすでに系を確立している16S rRNAプライマーを用いたnested PCR法により、歯周炎患者試料の解析を行った。その結果、Prevotella nigrescenceとTannella forsythusは歯周病の病態に関わりなく、歯周病巣のみならず健常部位の試料からも検出される細菌種であることが明らかとなった(G. Mayanagi et al., IADR2003発表予定)。歯周病巣に特徴的に検出されたMogibacterium timidum, Porhyromonas ginigivalis, Prevotella intermedia, Treponema denticola及びTreponema mediumの出現パターンと免疫学的パラメーターとの関わりについて、今年度確立した定量的サイトカインPCRを用いて解析を行っていく予定である。
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