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2002 年度 実績報告書

低温スプレーイオン化質量分析法の開発と超分子および生体分子構造研究への応用

研究課題

研究課題/領域番号 13557198
研究機関千葉大学

研究代表者

山口 健太郎  千葉大学, 分析センター, 助教授 (50159208)

研究分担者 関 宏子  千葉大学, 分析センター, 助手 (60114245)
キーワードコールドスプレー / DNA / クラスターイオン化 / ヌクレオシド / 水素結合 / エレクトロスプレー / 質量分析 / イオン化
研究概要

コールドスプレーイオン源の更なる改良の結果,直交スプレーが効率的イオン化に寄与することがわかり,これを基にスプレー軸の変更とこれに伴うイオン源ハウジング等の設計見直しを行った.この新規イオン源(直交型)を用いて生体基本分子の溶液構造の解析を行った.この結果,特にDNAの解析において顕著な成果が認められた.即ち,細胞の寿命に大きく関わっているとされる,染色体終端部に位置するテロメア構造の解析において,2'-デオキシグアノシンの4量体,いわゆるGカルテットの形成を,ヌクレオシドレベルではじめて観測することができた.さらに,通常のCSI条件下,デオキシグアノシン(dG)を含む4種類のヌクレオシドはともに溶液中,水素結合による連鎖会合体を形成することがわかった.一方,この溶液に1/4等量のNaClを加えると4量体を主とした単位会合体のイオンピークが観測され,連鎖会合体は消滅した.他の塩基ではスペクトルが複雑になるが連鎖会合体が消滅することはなかった.即ち,この動態変化はdGの特性であり,極微量のNa+が存在する通常の条件下,dGは他のヌクレオシド同様,連鎖会合体を形成しているが,これに1/4等量のNaClを加えると4量体,つまりG-カルテットを形成することが確認された.
次にG-カルテットをナフチリジンダイマー(ND)により破壊しようと試みた.NDをG-カルテットが形成している溶液に加えると,G-カルテットのナトリウム付加体の分子イオンピークであるm/z1091は消失し,かわりに,NDに2分子のdGが付加したプロトン化分子イオンピークであるm/z978が観測されるようになる.0.5等量でm/z1091はほぼ消失し,これ以上加えるとNDのみに由来するイオンピークも観測された.即ちND1分子に対して2分子のGが結合することから,この理論値である0.5等量加えることのよりG-カルテットは崩壊することが示された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 國村美希, 坂本 茂, 山口健太郎: "Alkali Metal-Mediated Proline Aggregation in Solution Observed By Coldspray Ionization Mass Spectrometry"Organic Letters. 7. 347-350 (2002)

  • [文献書誌] 坂本 茂, 中谷和彦, 齋藤 烈, 山口健太郎: "Formation and destruction of the guanine quartet solution observed by CSI-MS"Chem.Commun.. 788-789 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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