研究課題/領域番号 |
13557205
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小澤 孝一郎 広島大学, 医学部, 教授 (10211822)
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研究分担者 |
吉井 美智子 広島大学, 医学部, 教務員 (40230677)
石原 熊寿 広島大学, 医学部, 助教授 (20212912)
升島 努 広島大学, 医学部, 教授 (10136054)
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キーワード | 近赤外レーザー顕微鏡 / アレルギー反応 / マスト細胞 / RBL-2H3細胞 / 薬効解析 / ヒスタミン / 臨床薬学 |
研究概要 |
非侵襲近赤外クロスレーザーナノスペック顕微鏡の開発と生体機能分子解析への応用を試み、以下の実績を得た。 1.差侵襲近赤外クロスナノスペック顕微鏡の開発 2台の近赤外レーザ光源の光を生体組織中の任意の1領域に照射し、そこから得られる観察像を顕微鏡用対物レンズで捉え、CCDカメラで撮影し、デジタルビデオレコーダーにより記録する非侵襲近赤外クロスレーザーナノスペック顕微鏡の開発を試み、半透明な薄い膜の下に存在する細胞形体が観察可能なシステムの構築に成功した。さらに、デジタルビデオの画像を高速演算コンピューターにより解析するためのプログラムの開発を試みている。 2.皮下組織におけるマスト細胞等の血球細胞の機能解析 本システムを用い、アレルギー反応に関与するマスト細胞の動態解析を、ラット(本年度消耗品費にて購入)の皮下組織で試み、本年度開発したシステムでは鮮明な画像の取得が困難であることが判明した。ラット皮下組織での解析が困難であったため、まず、モデル実験系として、RBL-2H3細胞の観察を試み、成功した(Jpan. J. Pharmacol. 85,12-15,2001)。また、顕微鏡による解析と同時に、皮下組織及び血液中のマスト細胞等の血球細胞を血管内カテーテルを用いて採取し、細胞機能の変化を避けるために、高速冷却遠心機システム(本年度設備備品費にて購入)を用いて迅速にマスト細胞等の血球細胞とヒスタミン等の低分子生理活性物質との分離を行い、マスト細胞等の血球細胞への薬物作用の生化学的解析を試みた。このとき、同じ動物で継続的な観察を行うために、血管カテーテル等の器具は高圧蒸気滅菌器(本年度設備備品費にて購入)を用いて滅菌を行った結果、炎症あるいは感染症を伴うことなく継続的な解析が可能となった。
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