研究課題/領域番号 |
13557210
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉浦 幸雄 京都大学, 化学研究所, 教授 (40025698)
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研究分担者 |
永岡 真 京都大学, 化学研究所, 助手 (60314275)
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キーワード | 転写因子 / 亜鉛フィンガー / アーキテクチャー / DNA結合 / DNA湾曲 / マルチフィンガー / 遺伝子制御 / リンカー |
研究概要 |
DNAの情報をRNAに伝えるいわゆる転写は、生体反応において重要な位置を占めている。転写には、DNA結合タンパク質のDNA特定塩基配列への結合やそれに伴うDNA構造変化、中でも湾曲が大きく関与している。それ故、特定の塩基配列に結合し、DNA湾曲を誘発する人工分子は、新しい転写機能制御因子として期待される。代表的なDNA結合モチーフの1つである亜鉛フィンガーを複数個連結させることにより、長い塩基配列を認識することが可能である。転写因子Sp1の三つの亜鉛フィンガードメインを基にグリシン、アルギニン、あるいはグルタミン酸などのアミノ酸残基で連結した新規6-亜鉛フィンガー型タンパク質を設計・創製した。メチル化干渉法によりDNA認識様式を、フェージング解析によりDNA構造変化への影響を、さらに表面プラズモン共鳴によりDNA結合の速度論的特性を追究した。その結果、これらのタンパク質はDNA認識やDNA構造変化の点で、ほとんど同じ性質を示したが、湾曲DNAとタンパク質との複合体の安定性では異なった性質を与えた。すなわち、いずれのアミノ酸残基をリンカーとして用いた6-亜鉛フィンガータンパク質もDNAを湾曲化させることが出来たが、DNA結合に関する動力学は、3種のリンカーの間で明確に異なっていた。このDNA湾曲の誘起と動力学は、遺伝子機能の促進や抑制などの制御に新しい概念と手段を与えるものであり、近い将来、人工遺伝子制御分子としての開発が期待される。
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