研究概要 |
本申請研究は,遺伝子ベクターの体内動態及び細胞内動態を定量的に解析し,各素過程をウイルスベクターと非ウイルスベクター間で定量的に比較評価し,遺伝子ベクターの開発に新しい突破口を開くことを目的とする.ウイルスベクター及び非ウイルスベクターに関して,(1)体内動態に関する定量的比較評価,(2)細胞内動態に関する定量的比較評価,(3)素過程の最適化と至適投与設計,の3ステップからなる.平成13年度は,体内動態・細胞内動態の特性を定量的に開設した. ウイルスベクターの体内動態:アデノウイルスベクターを^<125>Iでラベルすることにより,マウスにおける体内動態を定量的に測定した.同時に,アデノウイルスベクターにルシフェラーゼをコードした遺伝子を搭載し,各組織での発現を測定した.これらの相関をとることにより,遺伝子発現の高い組織と低い組織の二群に分かれることが明らかとなった.遺伝子発現の低い原因について現在検討中である. 非ウイルスベクターの細胞内動態:細胞内の遺伝子の分布は,細胞膜,細胞質、エンドソーム、ライソゾームそして核が主要な分画である.各分画中の遺伝子量は,我々が最近確立したPCR法およびサザンブロッティング法(Tachibana,et al.accepted by Pharm.Res.)と共焦点レーザー顕微鏡を用いることにより定量した.この方法は我々が新たに開発した新規定量法であり,遺伝子の細胞内動態の各素過程を速度定数として定数的に評価することが可能となった。
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