研究概要 |
平成14年度は,非ウィルスベクターの細胞内動態に関する定量的評価を行った.細胞内の遺伝子の分布は,細胞膜,細胞質、エンドソーム、ライソゾームそして核が主要な分画である.各分画中の遺伝子量は,遺伝子を蛍光ラベルし,細胞内へ導入後の挙動を共焦点レーザー顕微鏡を用いることにより定量化した.定量化にはアクアコスモスの画像解析ソフトを用いて,まず2次元的に解析し,エンドソーム・ライソゾームコンパートメント,核内コンパートメント,細胞質中コンパートメントを蛍光標識することで識別し,遺伝子の局在を定量的に評価することに成功した.その結果,遺伝子の細胞内動態の細胞間のバラツキを評価することが可能となった.また,遺伝子の細胞内動態において,エンドソーム,細胞質,核という順序で核内移行することを予想していたが,エンドソームを経由しないで,直接核内へ侵入する可能性も示唆された.今後は,本法を3次元解析へと拡張するとともに,種々の遺伝子デリバリーを用いた場合の解析を行う予定である.
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