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2002 年度 実績報告書

酸化LDL測定の動脈硬化性疾患への臨床応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13557225
研究機関浜松医科大学

研究代表者

前川 真人  浜松医科大学, 医学部, 教授 (20190291)

研究分担者 近藤 明  第一化学薬品(株), 診断薬研, 主任
堀井 俊伸  浜松医科大学, 医学部, 助手 (80283430)
菅野 剛史  浜松医科大学, 医学部, 副学長 (70051406)
キーワード酸化LDL / マロンジアルデヒド / 動脈硬化 / 小粒子LDL / 中性脂肪 / HDL / 高脂血症
研究概要

動脈硬化の危険因子とされる高TG血症、低HDL-C血症と、酸化LDLとの関係について検討した。
血清脂質検査を受けた患者136名を脂質プロファイルによって、以下の4つのグループに分け、LDL粒子サイズおよび、酸化LDLとしてマロンジアルデヒド(MDA)修飾LDL(MDA-LDL)を測定した。
i)コントロール群;血清TG【less than or equal】1.65mmol/l(150mg/dl)、HDL-C【greater than or equal】1.17mmol/l(45mg.dl)で、高脂血症薬による治療を受けていない患者26名、ii)高TG群;血清TG>1.65mmol/l、HDL-C【greater than or equal】1.17mmol/lの22名、iii)高TG低HDL群;血清TG>1.65mmol/l、HDL-C【less than or equal】0.91mmol/l(35mg/dl)の67名、iv)低HDL群;血清TG【less than or equal】1.65mmol/l、HDL-C【less than or equal】0.91mmol/lの21名。
高TG群では高TG血症という動脈硬化の危険因子をもつにもかかわらず、MDA-LDL値はコントロール群と統計学的な差は認められなかった。一方、高TG低HDL群では、動脈硬化の危険因子の一つであるLDLの小粒子化が生じており、MDA-LDL及びこのMDA-LDL/アポB比(LDL一粒子当りの酸化の程度を示す)もコントロール群より有意に高値を示した。また、低HDL群では、LDL粒子サイズとMDA-LDLはコントロールと有意な差はなかったにもかかわらず、MDA-LDL/アポB比は有意に高かった。すなわち、LDL一粒子当りの酸化の程度が亢進していることがわかった。
以上より、HDL-Cが低下するとLDL一粒子当りの酸化の程度が亢進し、さらにTGの増加を伴ったときに、はじめてLDLが小粒子化する。逆に、TGが単独で高くなるだけでは、LDLの小粒子化もMDA-LDLの増加も生じない。すなわち、酸化LDLから見た動脈硬化の進展には、高TG血症に低HDL-C血症の併発が不可分になっていると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 近藤 明: "Insulin treatment prevents LDL from accelerated oxidation in patients with diabetes"J Atheroscler Thromb. 9・6. 260-267 (2002)

  • [文献書誌] 近藤 明: "Relationship between HDL-cholesterol and malondialdehyde-modified LDL concentrations"J Atheroscler Thromb. (印刷中). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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