研究課題/領域番号 |
13557226
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
白石 泰三 三重大学, 医学部, 教授 (30162762)
|
研究分担者 |
高尾 仁二 三重大学, 医学部, 助手 (30263007)
駒田 美弘 三重大学, 医学部, 教授 (80186791)
登 勉 三重大学, 医学部, 教授 (60106995)
山森 俊治 (株)三菱化学BCL, 遺伝子解析部, 部長
|
キーワード | MTAP / promoterのメチル化 / 非小細胞肺癌 / 定量的PCR法 / モノクロナール抗体 / 抗癌剤感受性試験 / Methylthioadenosine |
研究概要 |
プリン代謝酵素Methylthioadenoisine phosophorylase(MTAP)欠損はT-ALL、非小細胞肺癌、脳腫瘍などの癌で報告されている。遺伝子欠失が原因である場合が殆どであるが、MTAP遺伝子の近傍に存在するp16はメチル化による発現制御を受けていることが知られている。我々は、MTAP promoterのメチル化によるMTAP欠損細胞株を経験した。従って、これまでに開発した定量的PCR法によるMTAP遺伝子欠失診断では不十分であると予想され、解析を行った。また、この欠損を利用し選択的癌化学療法の可能性を追求した。 モノクロナール抗体;免疫組織染色によるMTAPタンパク質の検出のために抗ヒトMTAP抗体の作製を開始した。大腸菌で発現したヒトMTAPタンパク質を用いてマウスを免疫した。血清中の抗MTAP抗体価をELISA法で測定し、高抗体価を示すマウスを得た。次いで、モノクローナル抗体の作製を試み、5クローンが高抗体価を示すことを確認した。 腫瘍組織の解析;原発性肺癌手術症例50例より腫瘍検体を得た。1)抗癌剤感受性試験に用いる通常の培地ではMTXの制癌作用が現れにくいことが判明したため、培地を葉酸含有量が少ないRPMl-1640培地に変更。2)real-time PCR法によるMTAP遺伝子変異検索は30例を測定、3例に遺伝子変異を確認した。3)免疫染色陰性症例の30例でMTAP遺伝子欠失を認めた。また、免疫染色陰性で遺伝子欠失をみない症例のなかで2例にpromoter領域のメチル化を発見した。
|