研究課題/領域番号 |
13557228
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
上平 憲 長崎大学, 医学部, 教授 (80108290)
|
研究分担者 |
引地 一昌 (株)エスアールエル, 遺伝子検査染色体解析センター, 室長
平潟 洋一 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (50238341)
中越 亨 長崎大学, 医学部, 助教授 (40188917)
|
キーワード | molecular diagnosis / oncogene / PCR / plasma DNA / survivin |
研究概要 |
がんはいくつかの遺伝子変異の蓄積の結果、発生するとの定理が確定した。従ってその定理に基づいて遺伝子異変の有無を明らかにしてがん細胞は同定・診断されるべきである。しかし現実的には日常的がん診断で遺伝子結果が必ずしも形質検査に勝っていないので、本研究では遺伝子がん検査の優位性を検体の優位性の点にシフトしてがんの検査戦略を構築する方法を検証し、同時に適正な検査対象となる標的遺伝子の同定に努めた。 今年度は、(1)がん遺伝子の診断に関する研究をIRBへ申請し承認された。(2)体液、血液からの核酸の処理・保存法の検討は自動核酸抽出器を購入し、末梢血液中に混在する造血器腫瘍細胞からの核酸抽出と血漿DNA抽出精製法の技術的方法論の確立に努めた。(3)survivinは胎生期に発現するのが正常成人では発現がなく、発がん過程で再びスイッチ・オンするので、ユニバーサルながん細胞存在マーカーとして本survivin mRNAを取り上げ、real-time PCRでの定量法を確立,現実のがん診療への有用性を今後検討する。(4)がんの発症高危険群の同定の事例としてHTLV-1キャリアとATL発病を取り上げ、HTLV-1プロウイルスの定量法を確定して、高危険群の掘り起こしに取りかかった。(5)がんの悪性度などの評価はtumorigenesisの後期イベントに関与する遺伝子が検査標的となる。そこで、p16、p53の変異と腫瘍細胞(ATL細胞)の悪性度との関係を検討し、各々は独立に予後因子として利用できることを見いだした。
|