研究課題/領域番号 |
13557230
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研究機関 | 兵庫県立看護大学 |
研究代表者 |
川口 孝泰 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助教授 (40214613)
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研究分担者 |
鵜山 治 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (00185076)
松浦 和幸 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (80254465)
太田 健一 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (20254451)
鮫島 輝美 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (60326303)
東 ますみ 兵庫県立看護大学, 付置研推進センター, 講師 (50310743)
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キーワード | 遠隔看護 / 指尖容積脈波 / カオス分析 / バイタルサイン / RRインターバル解析 / 自律神経活動 |
研究概要 |
平成13年度は、(1)遠隔看護システムのハード環境の整備(解析用コンピュータ、複雑系シミュレーションシステム)(2)バイタル情報収集のための機器の設計・組立て(血中酸素濃度計、鼓膜温計、ほか既存機器で対応)(3)バイタルサイン情報のカオス分析システムの構築(カオス理論実験・開発キット)を進め、構築したシステムに基づき以下のような検証研究を行った。 ◆研究目的 バイタル情報のなかでも、脈波形から得られた非線形時系列データを、複雑系科学の代表的な手法であるカオス解析により処理することで、これまで看護婦が経験や勘によって捉えていた情報を、客観的な指標としてどこまで捉えることができるか、またそれらの情報を遠隔看護において、どのように活用できるかについて検討した。 ◆実験方法 実験は、研究協力の得られた健康な5名のボランティア(男1名、女4名)に対して、仕事前後の脈波計のカオス分析結果と生体の日内変動との関連を捉えた。一回の測定は約10分間で、そのうちの安定したデータが得られる5分間をデータ解析区間とし、脈波は、その間の2時点(25秒間、5000ポイント)をパソコンに取り込んでカオス解析(コンピュータ・コンビニエンス:複雑系シミュレーションシステム)を行った。心電図データは、AD変換(カノープス,AD98)してパソコンに取り込み、そのデータを用いてRRインターバル解析プログラム(キッセイコムテック,PASHERVAR)によって心拍変動解析を行い、測定時点での自律神経活動を捉えた。 ◆研究結果 RRインターバル解析による自律神経活動の変化では、5人ともに仕事後に交感神経活動の増加がみられた。カオス分析によって得られたアトラクターの軌道の変化をみると、仕事後の方が仕事前よりも軌道が安定している傾向がみられた。この傾向は、KSエントロピーの値からも確認でき、脈波形のカオス分析結果が疲労やストレス状態の指標になることが示唆された。
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