研究概要 |
簡易型SIgA測定キットの開発 本年度はある企業の協力の下に比濁法を用いて,SIgAの簡易測定を試みた.コスト的には問題が無いが,測定に用いる抗体がSIgA特異的な抗体ではなく,通常血中のIgAを定量するために市販されている抗体であるため,測定誤差が大きく,特異性も低かった.この問題を解決するため,現在,SIgA特異的なモノクローナル抗体を作製している.来年度はSIgA特異的なモノクローナル抗体を用いて,比濁法による測定キット開発を目指す. SIgAレベルと感染症の関係の検討 本年度は,2ケ月.に渡って30名の被験者から唾液を採取し,SIgAと上気道感染症の関係を調査した.その結果,SIgAの低下と,上気道感染症の発現に一定の関係があることが明らかとなった(投稿準備中).また,高強度トレーニング(試合期)のSIgAの変化と,心理的・肉体的ストレスに関する論文が現在,査読中である. 昨年度,行った実験では,上気道感染発症前後のSIgAレベルの変動を検討した研究が,日本臨床スポーツ医学会誌に掲載された.また,高齢者を対象として,運動トレーニングによるSIgAの変動を検討した研究がBr J Sports Medに掲載された.基礎研究としては十分な研究成果が得られていると考える.
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