研究課題/領域番号 |
13558004
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小谷 泰則 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (40240759)
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研究分担者 |
尾崎 哲郎 株式会社ディケイエッチ, 研究開発部, 開発員
平工 志穂 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30302821)
須田 和裕 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (70192135)
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キーワード | メンタルトレーニング / 脳波 / バイオフィードバックトレーニング / α波 / SPN / CNV / Fmθ |
研究概要 |
本研究では、リラックスの指標としてα波を、集中力の指標としてFmθ波を、また、イメージの指標としてCNVを用い、さらにやる気の指標としてSPNを利用したバイオフィードバックシステムを構築することを目的とした。システムとしては、生体アンプ、脳波解析システム、Biofeedback呈示システム、映像刺激呈示システムなどを構築し、脳波を用いたバイオフィードバックトレーニングシステムを構築した。 それぞれの、効果について検証したところ、α波を用いたバイオフィードバックトレーニングでは、トレーニング後にα波の量が増加することが確認された。特に、左半球の前頭部でのα波の量が増加しており、トレーニングの効果が前頭部に見られた。前頭部は、情動と関連した脳領域であり、α波の増加は、リラクゼーションの増加をもたらし、快感情の増加をもたらしたのではないかと考えることができる。 また、CNVを指標としたイメージトレーニングの効果を評価した実験では、イメージしたときのCNVの振幅が有意に高くなることが示されており、イメージの指標としてのCNVの有効性が示された。さらに、SPNを指標とした「やる気」の評価システムでは、実験的に被験者の「やる気」が高まる状態を作り、その時の脳活動についてSPNを指標として調べた。その結果被験者のやる気が高まった時の方が、SPNの値が高まることが示され、SPNを指標としたやる気評価システムが効果的であることが示された。 集中力の指標であるFmθ波についてはその効果が少なかく、トレーニング後のFmθ波の量には有意な変化は見られなかった。しかし、指標としてはFmθ波を捉えることができており、今後、トレーニング内容や測定時の課題やトレーニング期間などの修正を加えることによって、より効果的なバイオフィードバックトレーニングシステムの構築が可能になるものと思われる。
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