研究分担者 |
堀口 知也 神戸商船大学, 情報システム工学講座, 助教授 (00294257)
國近 秀信 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70284594)
竹内 章 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (00117152)
山本 秀樹 沖電気工業, 研究開発本部, 主任研究員
稲葉 晶子 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10304049)
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研究概要 |
本年度においては,知的仮想実験環境の部品化を指向して,(1)背景モデル,(2)対象モデル,(3)観測器モデル,の三つのモデルにより構成されるモデル表現を用いて物理の実験の特徴記述を行う実験モデルを提案した.さらに,個々の実験モデル間の関係を,それぞれ三つのモデルの違いとして定式化する方法を考案すると共に,実験対象とする物理現象の複雑さの違いによる発展度の違いとして位置付ける方法についても検討した.この発展度の違いは,(a)学習者に行わせる実験の順序付け,(b)学習者の対象に対する理解状態に応じた実験の提案,そして(c)ある実験において学習者がその理解を困難と感じた場合の実験の簡単化,のために用いることができる.現時点において,力学において,小学校から高校までに現れる実験についての実験モデルの記述と実験モデル間の関係の記述がほぼ完成しており,その記述を用いて仮想実験環境を特徴付けるための試みを開始している.さらに,この記述を用いて仮想実験環境を検索するツールの設計・開発をすすめている. 上記の事例的な試みに加えて,この過程で現れた様々な概念を体系的に整理する試みを行っており,結果として,実験環境に関するオントロジーのプロトタイプができつつある.このオントロジーを用いた仮想実験環境の部品化の試みも物理の実験を対象として始めている.また,部品化の対象としての仮想実験環境の収集も進行している.
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