研究課題
本研究では、「気楽な」会話を誘うモード(YOUモード)から、ものごとを論理的に探求する会記のモード(THEYモード)へと移行し、互いの意見を論理的に「つなげる」会話を支援するコンピュータ・システム(建設的会話支援システムConstructive Conversation Support System : CCSS)を構築するものである。このシステムは、パソコン上のチャットシステムで、特定の「リード文」ないしは「つなぎ語」を選択して発話することにより会話を支援するシステムである。「気楽な会話」支援からしだいに「論理的討論」への移行は、すべてこの「リード文」で行われる。会話はすべて文字入力とし、会話の流れは、共有画面上にネットワーク表示される。会話での参入は、そのネットワークの流れのどこにでも、他人の発言に「つなげる」ことで可能である。14年度は、教室内での一般的な討論支援のほか、ディベート授業での討論支援するための討論支援システム(Discussion Support System : DSS)を新たに開発した。リード文は、与えられた対立課題について、「メリット」、「デメリット」、「なぜなら」、「そうじゃなくて」、「たとえば」、「まとめると」といったような、ディベート用の発言をうながすものとした。さらに、コンピュータ教室での端末機による利用のほかに、Sun MicrosystemsのPersonal Javaを搭載した携帯端末PDA(Genio e550GX)で利用するシステムも開発した。PDAを、無線LANで利用しネットワークに接続することにより、ノートPCなどの大きな端末を利用することなく、会話に参加することが可能である。これらのシステムは、中学校の理科の授業や、社会科のディベート授業で活用したが、活発な会話が支援され、生徒たちにも大変好評であった。本年度は、最終年度にあたるので、これまでの成果を報告書にまとめた。
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