研究課題/領域番号 |
13558026
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
羽生 貴弘 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (40192702)
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研究分担者 |
亀山 充隆 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (70124568)
望月 明 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (40359542)
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キーワード | 多値ロジックインメモリ / TMR素子 / 抵抗回路網 / 非数値データ処理 / 超並列演算 / デバイスモデリング / 強誘電体デバイス / 全加算器 |
研究概要 |
VLSIチップ内データ転送ボトルネックを解消する、多値ロジックインメモリVLSIシステムを構築するため、本年度は以下の項目について研究を行った: 1)TMR素子に基づくロジックインメモリ回路の構成: 不揮発性を有する記憶素子の1つとして知られているMRAMセルデバイス「TMR素子」を活用し、ロジックインメモリ回路の実現方法を検討した。TMR素子のMR比が50%程度と小さい場合にもスイッチングさせるためように、基本回路構成はMOS差動形論理に基づいて構成する。また、差動形論理による動作中の定常電流をカットするため、ダイナミック形回路への改良を行った。その結果、0.18ミクロンCMOS設計ルールにおいて同等機能のCMOS実現と比較し、同一のスイッチング速度を達成しながら、動的&静的消費電力、並びにデバイス数を大幅に減少できることを示した。これらの研究成果は、各種研究会等で口頭発表すると共に、学術雑誌への採録に至った。 2)強誘電体デバイスに基づく格子ガスオートマトン向きVLSIアレーの構成: 強誘電体キャパシタを活用したロジックインメモリ回路技術である「強誘電体ロジック」の応用例として、本年度は、超並列処理が必須となる格子ガスオートマトン法のハードウェア実現に取り組んだ。格子ガスオートマトン法では、仮想粒子モデルの衝突のみで複雑な流体現象を可視化するアルゴリズムであり、次世代の流体現象可視化手法として期待されている。本研究では、仮想粒子の衝突モデルが記憶と簡単な演算で表現できることに着目し、強誘電体ロジックに基づく回路設計、並びにシミュレーションによる基本原理の検証を行った。これらの成果は、各種研究会等で口頭発表するに至った。
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