メタヒューリスティクスによる汎用問題解決システムの構築

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13558027
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 茨木 俊秀 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50026192)
• 研究分担者: 堀山 貴史 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (60314530) ; 野々部 宏司 京都大学, 情報学研究科, 助手 (40324678) ; 柳浦 睦憲 京都大学, 情報学研究科, 講師 (10263120) ; 阿瀬 始 日本網管株式会社, 総合エンジニアリング事業部制御技術部, 統括スタッフ
• キーワード: メタヒューリスティクス / 組合せ最適化 / 近似アルゴリズム / 凡用アルゴリズム / 配送計画問題 / 資源制約スケジューリング / 一般化割当問題 / 施設配置問題

研究概要

本研究の目的は、汎用性の高い標準的な組合せ最適化問題をいくつか準備し、それらに対する高性能のアルゴリズムを開発することで、多様な組合せ問題を一括して解くための汎用の問題解決システムを構築することである。今年度は、標準問題として主に、配送計画問題、資源制約スケジューリング問題、施設配置間題を取り上げ、アルゴリズムの設計と開発を行った。これらのアルゴリズムはいずれも反復局所探索法、タブー探索法など、メタヒーリスティクスと呼ばれる手法に基づいており、局所探索法の拡張と捉えることができる。
1. 配送計画間題
実問題においてしばしば現れる制約として時間枠制約に着目し、時間枠制約を高速に処理することのできるアルゴリズムの開発を進めた。具体的には、局所探索において解の評価を行う際に必要となる時間枠制約に対するペナルティの計算(動的計画法による)を、データ構造を工夫することで高速化した。
2.資源制約スケジューリング問題
目的関数が、作業完了時刻の凸型関数(非正規目的関数)で与えられる問題に対し、反復局所探索法の適用を行った。アルゴリズムの設計においては、この問題が、資源制約がないときは最小費用流問題に帰着され、多項式時間で解けることを利用している。
3. 施設配置問題
多資源一般化割当問題を部分問題として含む多資源施設配置問題を考え、アルゴリズムの開発を行った。その内部では、すでに開発済みの多資源一般化割当問題に対する近似アルゴリズムをサブルーチンとして用いている。

研究成果

• [文献書誌] M.Yagiura, T.Ibaraki: "Efficient 2 and 3-Flip Neighborhood Search Algorithms for the MAX SAT : Experimental Evaluation"Journal if Heuristics. Vol.7, No.5. 423-442 (2001)
• [文献書誌] K.Nonobe, T.Ibaraki: "Formulation and tabu search algorithm for the resource constrained project scheduling problem"Essays and Surveys in Metaheuristics. 557-588 (2001)
• [文献書誌] T.Eiter, T.Ibaraki, K.Makino: "Decision lists and related Boolean functions"Decision lists and related Boolean functions. (To appear).
• [文献書誌] T.Eiter, T.Ibaraki, K.Makino: "Disjunctions of Horn theories and their cores"SIAM Journal on Computing. (To appear).
• [文献書誌] H.Nagamochi, T.Ibaraki: "Graph connectivity and its augmentation : Applications of MA orderings"Discrete Applied Mathematics. (To appear).
• [文献書誌] M.Yagiura, T.Ibaraki: "On Metaheuristic Algorithms for Combinatorial Optimization Problems"Systems and Computers in Japan. (To appear).