研究概要 |
大規模かつ高速動作可能なマイクロプロセッサを実現するためのアーキテクチャCOSMOSの検討を行った.この目的を達成するために,高バンド幅命令供給機構,可変レイテンシ演算機構,演算結果再利用などを評価した.8命令の並列度をもつスーパースカラプロセッサで見積もったところ,COSMOSアーキテクチャを採用しても命令レベルの並列性は1.3%しか低下せず,COSMOSアーキテクチャの高速化への貢献の方が大きいと期待できる.また,過渡故障に耐性を持つ命令発行機構についても検討を行った.マイクロプロセッサ向けのフォールトトレランス技術が必要となる理由には次の二つが考えられる.ひとつは半導体技術の微細化進行である.近い将来の半導体プロセスではアルファ粒子などの雑音に耐えられなくなりつつある.もう一つは携帯情報端末の普及である.これらは非常に劣悪な環境下で使用される.本研究では時間的冗長性に着目し、同じハードウエア量という条件では従来の空間的冗長性に基づく方式よりも効率の良い方式を提案した.
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