研究概要 |
本研究では仮想化内視鏡システムと実内視鏡を組み合わせ,あらかじめ撮影された個々の患者の3次元医用画像から得られる情報を,内視鏡検査時にナビゲーション情報としてリアルタイムで医師に提示する「内視鏡ナビゲーションシステム」の開発を遂行した。そのために必要な要素技術として,以下の項目の研究を行った。 (1)軟性内視鏡のカメラ動き推定手法 実内視鏡像と仮想内視鏡像との対応付けを行う手順の開発を行った.本年度はエピポーラ幾何を用いてビデオ画像のみから直接内視鏡カメラ動きを推定する手法、実内視鏡像と仮想内視鏡像の照合によるカメラ動き推定手法の検討、実内視鏡像と仮想内視鏡像との対応付けの妨げとなる気泡フレームの検出手法の開発をそれぞれ行った。実際の内視鏡・CT画像を用いた実験の結果、これらの処理が内視鏡カメラ動き推定に極めて有効であることを確認した。 (2)仮想内視鏡像の高速生成法の開発 本研究では内視鏡のカメラ動きを推定するための一つの方法として、複数の仮想内視鏡像を生成し,実内視鏡画像に最も一致する仮想内視鏡像を求めることでカメラ動きを推定する.そのためにグラフィックスワークステーションを複数台利用した高速な仮想内視鏡像生成アルゴリズムの開発を行った.特に複数台のグラフィックスワークステーションを利用することで高速にボリュームレンダリングを実行する手法の開発を行った。 (3)ビデオ内視鏡画像、X線CT像、解剖学的知識の各データベースの構築 実験を行う上で欠くことのできない実内視鏡画像と3次元X線CT像を各患者毎に取得し,画像データベースの構築を行った.また,対象とする臓器の解剖学的情報データベースの構築の一つとして、肺動静脈自動認識手法の開発を行った。
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