研究分担者 |
安室 喜弘 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (50335478)
大城 理 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究調査センター, 助教授 (90252832)
千原 國宏 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (80029561)
黒田 知宏 京都大学, 医学部付属病院, 講師 (10304156)
井村 誠孝 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (50343273)
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研究概要 |
本研究では,装着型計算機技術と分散協調視覚技術を利用し,歩行者の持つ装着型計算機と交通インフラが創発することで歩行者の利便と安全を確保する「創発型歩行者ITS」システムの構築を目的としている.平成14年度は平成13年度に試作した視覚障害者用端末,街角端末の改良ならびに街角端末の機能として,ユーザの識別と位置同定システムの構築を行った. レーザーポインタと小型CCDカメラを組み合わせた距離計測装置を搭載した電子白杖や歩行者の持つ携帯端末と魚眼レンズを用いた歩行者検出機能を持つ街角端末などを有機的に結びつけるために,携帯端末からLEDの発光パターンを制御できる赤外線LEDを用いたタグを試作し,魚眼レンズを搭載したカメラで計測することで,ユーザの位置を計測するシステムを構築した.このシステムでは,携帯端末がネットワークに繋がる際に得るIPアドレスなどのネットワーク情報と赤外線LEDタグの発光パターンを組合せることで,ユーザの位置を計測するだけではなく,位置を計測されたユーザが誰なのかを識別することが可能になっている. このユーザ識別・位置同定システムを試作し,実際に識別および位置計測が可能か実験した.実験の結果,ユーザの位置は最大で30cm程の誤差であり,また,ユーザの識別も可能であることが分かった.さらに,複数のユーザがいる環境においても,それぞれの位置を計測し,ユーザが交差したりLEDタグの発光を見失った場合でも,ネットワークを介してLEDタグの発光を制御することで正しくユーザを再識別が可能であることが分かった. この試作システムは,赤外線LEDを用いているため屋外での使用は困難であるが,地下街や室内での使用は十分可能であり,計測されたユーザ位置をもとに歩行者に適切なサービスを提供することが可能になると考えている.
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