研究課題/領域番号 |
13558044
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
安部 憲広 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (00029571)
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研究分担者 |
大元 克敏 リアルビジン社, アプリケーション開発部, マネージャ(研究職)
木下 良正 水高会病院, 脳神経外科, 医長 (00258617)
田中 和明 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (70253565)
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キーワード | ボクセルモデル / 切断 / 触覚フィードバック / 内視鏡手術支援 / 訓練システム / 形状処理 |
研究概要 |
(1)内部が稠密で変形可能な組織に対する変形・切断操作の実現、(2)限定された視野と操作空間での内視鏡手術支援、(3)体内に挿入された2器の術具による協調作業と干渉を反映したPHANToMによる力覚フィードバックに関して、基本的なサブシステムの試作を行った。 (1)に関して、ボクセル空間に定義された任意形状の切断と切断時の触覚を、PHANToMを介して操作者に返すシステムを作成した。ボクセルの切断はメスを交叉したボクセルの消去により実現可能であるが、組織の柔軟性の応じた反力、切断不可能な部位の切断阻止機能などの実装が不可欠であり、これらの機能の組み込みを実現中である。(2)に関して、体内に挿入された内視鏡視野の下でのメスの操作訓練システムを作成した。今回作成したものは、PHANToMのGHOSTモデルを利用しているため変形不可能であるが、体表の穴から挿入された内視鏡による狭隘な視野の下での、もう1つの穴を支点とした狭隘なメスの操作空間で生じる上下左右反転の認知の向上、単眼視による距離感不足の力覚による補足、組織の表面に描画された軌跡の3時限的な追従の適否を述者以外の者に客観的に提供する機能を組み込むことによって、内視鏡手術の習熟度の向上を目指した。動脈や神経自体を目標とした手術以外でこれらの組織にメスを入れることは絶対に禁忌な操作である。内視鏡手術に未熟な医師によるメスの誤操作や組織の誤認識に基づく手術ミスの防止をPHANToMによって抑止する機能の組み込みを行い、手術ナビゲーションの基本機能の整備を行った。(3)に関しては、2つの穴から挿入された術具(たとえば、メスと鉗子)による協調操作の視覚・力覚による支援を目指して、2機のPHANToM同士や臓器を介した間接的な干渉の検出などを目指した試作システムを開発中である。 円弧軌道を切断中のトルク、変形する臓器の実現、縫合操作への対処、ボクセルモデルとサーフェイスモデルとの連携、などが今後の課題である。
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