研究分担者 |
繆 いん 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (10302382)
岸本 一男 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (90136127)
神保 雅一 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50103049)
栗木 進二 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00167389)
手塚 集 日本IBM基礎研究所, 研究員
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研究概要 |
金融工学でオプション価格を計算する時,超多次元で積分をする必要がある.一般に次元が大きいのでモンテカルロ法による数値積分を行なう.普通疑似乱数を用いるが、普通の乱数を使うより組合せ的にバランスした乱数列を使う方が精度が格段に良くなることが理論的に証明されている.これを準モンテカルロ法といい,(t, m, s)-netあるいは(t, s)-sequenceと呼ばれる超一様分布列と呼ばれる組み合わせ的乱数列を使う。また各種の実験でもこの(t, m, s)-netや(t, s)-sequenceを使うと精度が高まることが認められている。 T=3,4のとき,この(T, M, S)-netを有限射影幾何上でTheta-Configureationと呼ぶ幾何構造を定義し,それが(T, M, S)-netと同値であることを証明した.T=3のとき,強さ3の直交配列と同値であることを証明した.またT=4のときはTwisted Cubicと呼ばれる代数曲線からTheta-Configureationが構成できることを証明した.最近提案されたHickernell列と呼ばれる超一様分布列について、その類似なものを有限体上の多項式を使って定義し、それが(t, s)-sequenceを構成することを示した。つぎに,(t, s)-sequenceのなかで最も一様なのが(O, s)-sequenceである。現在は、そのパラメーターをランダムに選んで使っているが、いいパラメーターのみを探し出す方法を考察した。いいパラメーターが見つかってしまうと「ランダム性」が必要なくなるため、この手続きをDerandomizationと呼んでいる。またひとつのアプローチとして、i-binomial propertyと呼ばれる性質を利用することを提案した。Derandomizationすることによって,性質が変化することを示し,解析した. またMersenne Twisterとよばれる周期の長い乱数発生手法の改良を試みた.その他,超一様分布の構成に結びつく,各種の基礎的な組合せ問題の研究を行った.
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