研究課題/領域番号 |
13558050
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研究機関 | 富山商船高等専門学校 |
研究代表者 |
山崎 祐介 富山商船高等専門学校, 商船学科, 教授 (90132597)
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研究分担者 |
渡部 豊 東京商船大学, 商船学部, 助教授 (50182960)
村山 義夫 財団法人海上労働科学研究所, 研究第一部主査
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キーワード | 船舶 / 海上交通 / 海難 / 事故調査 / インシデント / ヒューマンファクター / 監視作業 / 操船 |
研究概要 |
本研究申請者らはインシデント・レポーテイングシステム(以下、既開発システム)を開発してきた。一昨年、昨年と今年、この助成研究でデータベース構築と民間船会社の安全管理に実用可能なシステムを提供することを目的に以下の内容を実行する。 (1)既開発システムに採用した危険因子からリスク評価法を決定し、危険因子への安全管理対策について、将来期待される方法の効果を予測し、危険因子のリスク程度と安全対策効果を評価し、行動計画を策定する実用的なシステムを構築する。 (2)インシデント調査を行いデータベースを作成するとともに、現場の評価を加えてシステムを改善し、調査結果とそのシステムを現場にフィードバックして実際の運用を評価し、運用マニュアルを策定する。また、米国沿岸警備隊研究所などと情報交換し、国際的な事故調査法に反映させる。 本研究の実施計画はつぎのとおりである。 平成13年度:安全管理の実態を調査し、インシデント調査票を現実の人的リスク・環境リスクと行動形成因子との対応を厳密にして再設計した。 平成14年度:今までに実施した二回の本格調査によるデータベース(2831件)の入念な解析とその解析手法をソフト化して、インシデント汎用解析システムの第一次開発を行う。 平成15年度:第一次解析システムを現場で運用実験を行い、実用システムを開発し、本システムを国際的に提案する。 この計画に基づいて、今年度は昨年度に同時多発テロの影響で実施できなかった、米国沿岸警備隊、米国運輸安全委員会そして、英国海事研究所や英国海難調査局を訪問し、インシデントの状況調査を実施した。この調査によって得た情報やアイディアによって、今までに実施した二回の本格調査によるデータベース(2831件)の入念な解析とその解析手法をソフト化して、本研究のテーマである、インシデント・レポーティングシステムにおいて重要な位置を占めるインシデントデータベース作成・解析システムの第一次開発を完遂した。そして、約160の内航船社にその解析ソフトを送付し、来年度に向けて試用してもらうために、東京、大阪で説明会を開催した。
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