研究分担者 |
大嶺 聖 九州大学, 工学研究院, 助手 (60248474)
安福 規之 九州大学, 工学研究院, 助教授 (20166523)
善 功企 九州大学, 工学研究院, 教授 (50304754)
平井 貴雄 三井化学産資(株), 商品技術研究所, 主任
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研究概要 |
自重による荷重軽減や地震時慣性力軽減のための「軽量化」,大きな荷重や繰返し荷重による大変形に追随するための「ねばり強さの改善」に着目し,災害に強い地盤材料を用いた複合地盤の開発,支持力特性について実験的検討を行った. 実施した内容と主な結果は以下の通りである. 1.軽量でねばり強い複合地盤材料の開発 地震時の加速度による衝撃荷重を和らげるためには軽くて柔軟な材料が望ましい.また,脆性的な材料は大変形時に残留強さが期待できないため,急激に崩壊することになる.これらの欠点を補うために,軽くてねばり強い複合地盤材料の開発を行った.具体的には,安定処理土に細長い形状のプラスチック片と軽量材を混合してねばり強さの増加と軽量化を図った.その結果,軽量材として気泡および発泡スチロールを用いた場合,同一の体積含有率において,発泡スチロールを混合した軽量土の法が強度の増加が大きいことが明らかとなった.また,発泡スチロールとナイロン糸のような短繊維を混合することで,残留強度が増加し,脆性的な性質が大きく改良効果されることがわかった. 2.大変形時における支持力特性の把握 地震時には大きな荷重が構造物に作用することになる.そのため,実際の地盤の拘束圧を模擬した状態で大変形時の支持力特性を明らかにすることのできる改良地盤載荷装置を作製した.改良地盤の安定性を把握するために,プラスチック片の最適な混合深さについて模型実験を行った.その結果,プラスチック片を混合した安定処理土を深層改良に適用した場合,粘り強い性質を示し,最大載荷応力はプラスチック片を混合した部分の改良深さに依らず,ほぼ一定の値を示すことが明らかとなった.さらに,残留応力特性より,十分な補強効果を得るには,プラスチック片を混合した改良深さを載荷幅の1.5倍以上にすることが必要である.
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