研究課題/領域番号 |
13558054
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
関口 秀俊 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50226643)
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研究分担者 |
別所 正博 三菱重工業(株), 名古屋研究所, 研究員
鈴木 正昭 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70114874)
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キーワード | マイクロ波プラズマ / 水蒸気 / 改質 / 水素 / ヘキサン / システム計算 |
研究概要 |
本研究では、大気圧マイクロ波水蒸気プラズマを利用した車載型ガソリン改質装置を開発することを目的とした。今年度も引き続き、ガソリン疑似物質であるヘキサンを利用して改質実験を行った。そして、特に昨年度の結果で問題となった効率の上昇を主に検討した。まず、昨年度の結果では、生成ガス中にH2とCOが高い濃度で生成したことより、過剰な水蒸気のプラズマ化を避けるため、原料中の酸素・炭素比(O/C)を1付近に設定した上で、実験条件の再検討を行った。検討はプロセスシミュレータを利用し、平衡状態を仮定してエネルギー収支を含めたプロセス計算を行った。その結果、マイクロ波入力2kWの条件では、ヘキサン流量は約1.2mmol/s程度が最適と結論された。そこで、この結果を踏まえ、実験は昨年度よりヘキサン流量を増加させ、0.8-1.3mmol/s、また0/C比は0.8-1.8の範囲で変化させて、転化率、生成ガス組成等への影響を検討した。また、ガスメーターなどを導入し、昨年度より分析精度を向上させた。なお、計画していたセラミック反応管の利用は、プラズマのon-offにより破壊してしまうため、従来通り石英管で実験を行った。実験の結果、これらの条件でも改質が行われ、ヘキサン流量が低い場合には転化率0.9を達成した。また、0/C比の上昇により、ヘキサン転化率は、始め下がるものの、その後はほぼ一定であり、これは水蒸気プラズマの流れが転化率に大きく依存しているものと予想された。結果の評価のため、新しい指標としてエネルギー変換効率を定義した。そして、マイクロ波変換効率を汎用のマグネトロン効率である0.5と仮定し、また生成したCOはすべて水素に変換されるとしたときの効率を計算したところ、最大約0.55となった。車載する場合には、さらに効率の上昇が必要と考えられ、そのためにはプラズマトーチの設計が鍵となると考えられた。
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