研究課題
基盤研究(B)
地球環境問題等からクリーンなエネルギー源である太陽光発電システムが注目されている近年、全国55国立高専のうち39高専に40kW太陽光発電システムが設置された。本研究では、これら39地点での太陽光発電システムを対象として、発電量等の実証データを収集するとともに、その評価を行い、これらの実証データ及び評価結果をデータベース化し、インターネットによって公開することを目的として実施した。全国39高専に設置された太陽光発電システムの設置条件および発電量等のデータを収集することができた。共同研究者が所属する高専における太陽光発電システムのデータを用いて、分析評価を行った。さらに、データの分析評価プログラムを作成し、日射量等の自然条件から予測される発電特性との比較や各高専間の実証データの比較分析などを行った。積雪がある舞鶴高専に気象条件観測システムを設置し、当該地点でのデータを収集した。その結果、太陽電池モジュールの枠が積雪の原因となっており、これを除去することにより約2倍の発電電力量が得られることが明らかになった。和歌山高専に設置されている方位角・傾斜角を可変できる太陽光発電システムを用いて、北面におけるデータを収集した。南面に設置された太陽光発電システムの発電量と比較して、年平均で66%の発電量が得られることが明らかになった。インターネットによる公開のためにサーバシステムを豊田高専に構築した。収集した各高専のデータを、統一した形式へ変換するプログラム(正規化ツール)を作成した。正規化ツールによりデータベース化された太陽光発電システムの発電データ等をインターネットで公開している。URLはhttp://www.arc.ice.toyota-ct.ac.jp/pv/である。以上の結果、研究目的を達成でき、本研究の成果が太陽光発電システムの更なる普及に貢献するものと期待している。
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