研究課題
基盤研究(B)
本研究は、近年問題となっている地球環境問題、その中でも特に関心の高いごみ燃焼時のダイオキシン発生の問題を解決するため、最適なごみ燃焼システムを考案するものである。昨年度までに、焼却場の過去のデータを入手し、それをデータベース化すること、および、ごみ焼却制御システムをビジュアルベーシックによってプログラミングし、実際のごみ焼却場へ応用することを行った。本年度は、まず、データベースの構築に必要な自動手書き文字認識プログラムを改良し、昨年までの認識率20〜50%から現在の認識率は40〜70%まで向上させた。現段階では、まだ十分な認識率は得られておらず、このシステムに組み込むことはできないが、改良を加えることにより十分な認識率が得られると期待できる。また、きめ細かな制御を行うため、データを取り込む際に、チャンネル数を8から48へ向上させ、さらにマルチプレクサを利用して高速化を図った。また、データ記録・記録間隔を1時間から最小1分おきに記録するように短縮させた。その結果、以下のことが明らかになった。1)ダイオキシンと相関のあると言われている炭酸ガス濃度は、再燃焼室の温度に深い関係があることが分かった。2)炭酸ガス濃度は、運転開始時と停止時に大きな変動が発生することが判った。これは、(1)炉の始動時にCO濃度と深い関係のある炉内温度が十分な温度に達していない。(2)炉の始動時に、十分な空気(酸素)が供給されていない。(3)炉の出口付近の空間が再燃焼に必要なだけの容積が確保されていない。等の問題点のためだと考えられる。3)上記の欠点を補うためには、(1)始動時にはバーナーを用い、炉内を暖めて850℃以上の温度で燃焼させる。(2)各ストーカでの燃焼温度上げ、再燃焼時の温度を確保する、等の対処によりほぼ定常運転時程度にまで炭酸ガス濃度を押さえられることが判った。
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