研究課題/領域番号 |
13558072
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 新潟薬科大学 (2002) 東京大学 (2001) |
研究代表者 |
藤井 智幸 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 助教授 (40228953)
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研究分担者 |
宮脇 長人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (80012053)
三宅 紀子 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 助教授 (70314573)
服部 良男 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 教授 (40350714)
田中 孝明 新潟大学, 工学部, 助教授 (00217043)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | nanospace / fractal / nanoporous silica membrane / laccase / endocrine disrupting chemical / supercritical carbon dioxide / lipase / critical phenomena |
研究概要 |
ゾル-ゲルプロセスでは、ゲル化にいたる中間段階で構造が不規則でフラクタル的な凝集体の生成が抑制され、結果として均一なナノ空間構造を有するシリカ薄膜を形成させうる調製条件を検討し、約3.3nmのナノ空間を有するシリカ薄膜の作成に成功した。一方、アルキルフェノール類を海砂に吸着させたモデル反応系(汚染土壌のモデル)を考案し、吸着させたノニルフェノール、オクチルフェノール、及びビスフェノールAが担子菌由来のラッカーゼにより迅速に分解されることを見いだした。さらに、合成女性ホルモンなどの分解も可能なことを確認した。 超臨界二酸化炭素の溶媒特性を評価する上で有用なパラメータであるlogPを推算したところ、3.0〜11.8MPaの高圧二酸化炭素については、圧力上昇に伴いlogPは0.9〜2.0まで増加する傾向が認められ、ベンゼン(logP=2)やフェノール(logP=1.5)と近い値であった。このことから、超臨界二酸化炭素は圧力により極性が生じており、圧力の増加に伴って極性が小さくなっていくことが示された。リパーゼを用いたステアリン酸とエタノールのエステル化反応に関しては、圧力の増加とともに反応速度が高くなりlogPの増加傾向とおおむね一致したことから、超臨界二酸化炭素中でのリパーゼ反応を溶媒特性の視点からとらえると有効であることが示された。 以上の結果から、超臨界二酸化炭素を溶媒として用いてナノスペースでの酵素反応を検討する際には、バルクとしての溶媒特性に加えて、溶質と二酸化炭素、酵素表面、壁表面との相互作用をそれぞれ考慮する必要があることが示された。
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