研究分担者 |
下坂 琢哉 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40295473)
中釜 達朗 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50244421)
保母 敏行 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00087321)
前田 恒昭 東亜DKK株式会社, 開発部, 課長(研究職)
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研究概要 |
クロム蒸着ガラス板を用いたマイクロチャンネル用鋳型をハイブリッド化するための作製条件を検討した。光源として青色及び緑色発光ダイオードを,検出器への信号の伝達に光ファイバーを埋め込んだハイブリッド型ポリエステル分離チップの作製に成功した。また,基板への試料吸着防止としてポリエステルに種々の官能基をもつビニル化合物を共重合させた。試料には蛍光ラベル化アミノ酸を用いた。即ち青色IEDの場合はフルオレッセイン誘導体とし、緑色LEDの場合はローダミン誘導体とした。濃縮過程,分離過程,内壁への吸着などの評価のために倒立型顕微鏡を購入する予定であったが、それ以前の基本的備品であるチョッパーや電源回路が不足していたためこれに備品購入費を当てた。比較のためにグリーンHe-Neレーザー,アルゴンイオンレーザーを利用した。また,キャピラリー内壁の機能性分子の状態を現有のFT-IR, AFM(現有)などで解析した。これらにより本年度以下のことが明らかとなった。 1)青色または緑色LEDはインコヒーレントな光源であるが発光面をマイクロチャンネル直近に設置することにより十分な光量を得ることができた。即ち最適化することにより通常の吸光光度法並みの感度をもつことがわかった。 2)蛍光導光のために用いた光ファイバーの直径について検討したが、深さ45μmのチャンネルの場合ファイバー直径が100μmまではピーク広がりが観測されなかった。 3)FITCラベル化アミノ酸の検出限界は10-4M程度、TRITCラベル化アミノ酸のそれもほぼ同等であった。 現在オンチップ誘導体化法についても着手し始め実用的な高機能分離分析が可能になると思われる。
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