研究課題/領域番号 |
13558076
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
内山 一美 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (40151899)
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研究分担者 |
中釜 達朗 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (50244421)
下坂 琢哉 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (40295473)
保母 敏行 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (00087321)
前田 恒昭 産業技術総合研究所, 科長付(研究職)
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キーワード | マイクロチャネル / 電気泳動分析法 / オンサイト分析 / 発光ダイオード / 蛍光検出 / ポリジメチルシロキサン / 高分子 / 三次元テンプレート |
研究概要 |
平成13,14年度の成果をもとに以下のような検討を行い成果を上げた。まず従来チップ材料として用いてきたポリエステルの特質についての知見が十分に得られたのでポリジメチルシロキサン(PDMS)を新たなマイクロチャネルの機材として使用した。PDMSはポリエステルと同様マイクロチャネルテンプレート上に触媒を添加したモノマーを流し込み重合固化することによりチップ化することができるのでポリエステルとの違いについて検討することが可能である。PDMSは高い透明性、良好な接合性、試薬に対する安定性の面でポリエステルよりも優れるが、表面修飾にやや難点がある。まずPDMSマイクロチャネルの作成方法について検討した。光源の発光ダイオード(LED)にはこれまで通り青色LED及び緑色LEDの発光面をマイクロチャネルに近接し、これと垂直に光ファイバーを設置しPDMSを流し込み重合させた。この際倒立型顕微鏡下でLEDを点灯した状態で位置調整を行い、マイクロチャネルとLEDの発光部位及び光ファイバーの位置の微調整を行った。同様にポリエステルについても行い比較検討した。この結果ポリエステルでは重合時に収縮するため光ファイバーが流路に近い場合マイクロ流路がひずむことがわかった。PDMSではこのようなことはなく極めて良好な再現性でLEDと光ファイバーを組み込んだチップを作製できることがわかった。このような方法により作成したマイクロチップにより、ローダミン色素及びフルオレセインの定量性について検討した。ローダミン系色素にはスルフォローダミン101及びスルフォローダミンBを用い、LEDには緑色LEDを、フルオレセインの場合は青色LEDを用いた。それぞれの場合ともに検出限界から10^<-4>M程度まで極めて良好な直線上の検量線が描けた。検出限界はいずれの色素ともアトモルレベルであった。YAGレーザーの第2高調波を用いたLIFと感度の比較を行ったところ、マイクロチャネルに照射される単位光量あたりの感度はほぼ同等であった。即ちLEDはレーザーに比べて極めて大きな半値幅を持つものの、蛍光感度はマイクロチャネルに照射される光量のみに依存するといえる。また本マイクロチャネルの作製から定量までの再現性はチップ間では30%程度と良好で、これまで20%台であった作製の歩留まりもPDMSではほぼ100%であった。次に本研究での検出特性のキーとなる光ファイバーの見込み角を十分利用するための三次元テンプレートを試作した。即ち幅100μm高さ15μmのマイクロチャネルの検出部分を幅15μm高さ100μmとなるように徐々に幅を狭め高さを高くなるように設計した。このようなテンプレートのせり上がった部分にクラッド迄の高さが100μmの光ファイバー端面を配置してマイクロチャネルをこれまで通り作製した。レーザーを光源としてこれまでのチップと感度を比較したところ約2.5倍の高感度化が達成された。更なる最適化により10倍以上の高感度化が期待される。
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