研究課題/領域番号 |
13558090
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
片山 勉 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (70264059)
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研究分担者 |
胡桃坂 仁志 早稲田, 大学院・理工学部, 助教授 (80300870)
麻生 真理子 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (30201891)
植田 正 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90184928)
遠藤 淳 第一製薬(株), 創薬第一研究所, 副主任研究員
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | DNA複製 / 細胞周期 / DnaAタンパク質 / 大腸菌 / DNAポリメラーゼ / AAA^+ファミリー / ATP / 抗菌剤 |
研究概要 |
多剤耐性菌の出現や、新興感染症が次々と発生するなど、新規抗菌剤への社会的需要は高い。DnaA蛋白質は細菌類に広く保存されており、染色体の複製に必須である。DnaA蛋白質(52kDa)のC末端10kDa断片に、この特異的DNA結合能が担われていて、ドメインIVと呼ばれる。DnaA機能阻害剤開発のため、本研究計画前半では、このドメインIV蛋白断片を用いて、活性スクリーニング系の開発、3次元構造解析をまず目指すことにしている。実際、大量生産株を作成し、このドメインのみからなる蛋白断片の精製に成功し、かつ、このドメインIV蛋白には、特異的DNA結合能があることを証明した。さらに初めて、NMRによる構造解析を行い、DnaAドメインIVの^1H,^<13>C,^<15>Nの化学シフトを同定し各アミノ酸残基の帰属も決定した。この成果に基づき、DnaAドメインIVの溶液中での2次構造の決定に成功した。さらに並行して、X線結晶解析による構造解析を行うため、この蛋白ドメインとDNAとの複合体の結晶化を進めて、共結晶の2.5Å解像度での放射光回折データを得、さらに、重元素置換型結晶解析と構造計算を進め、3次元構造を解くことに成功した。この成果により、DnaAタンパク質とDNAとの相互作用機構が分子原子レベルで解明された。以上のような研究進展にあわせて、阻害剤のスクリーニングを行い、新規薬剤候補となる分子を見出した。以上のことから、本研究ではDnaAドメインIVの機能構造解析に基づき理論的に薬剤を選別し、新規抗菌剤の開発研究へと展開するシステムの確立に成功した。
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