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2002 年度 実績報告書

アポトーシス抵抗性神経幹細胞の分化・増殖および神経機能再生能への応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13558093
研究機関九州大学

研究代表者

吉田 裕樹  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (40260715)

研究分担者 中島 欽一  熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (80302892)
キーワード神経幹細胞 / 分化 / アポトーシス / 再生
研究概要

本研究は、神経幹細胞の増殖・分化過程に注目し、この細胞の増殖能や分化過程を解析するとともに、アポトーシス抵抗性の神経幹細胞の、培養系あるいは移植された個体内での生残を解析することにより、神経変性疾患や神経損傷に対する移植再生医療への応用を検討することを目的とした。アポトーシス制御因子であるApaf1を欠損するマウス胎仔より神経幹細胞を分離し、培養系における増殖能や細胞死抵抗性を検討したところ、増殖能は野生型と比べ差が見られなかったが、抗がん剤などのアポトーシス誘導刺激や無血清培地におけるインスリン除去などの生存刺激欠如に対してより高い生存率を示した。しかしながら、アポトーシス抵抗性神経幹細胞においても細胞の分化系譜は正常と思われ、形質転換・癌化等の所見は見られなかった。一方、同じ神経幹細胞の培養系での分化過程の解析において、BMP2が抑制性HLH因子の発現を誘導し、ニューロン分化に促進的に働くbHLH転写因子の機能を阻害することによって神経上皮細胞のニューロンへの分化を抑制することが示された。今回得られた結果は、正常の分化系譜を持つアポトーシス抵抗性神経幹細胞を得て、さちにBMP2などニューロン分化抑制性因子のシグナルを阻害する因子を用いることにより、神経幹細胞の分化のバランスをニューロン側へと傾けるという、効率的な神経分化誘導法の確立につながり、神経変性疾患や外傷によるニューロン損傷に対する新規再生治療法の開発へとつながる可能性をもつと考える。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yoshida, H. 他: "Differential requirement for Apaf1 and Bcl-X(L) in the regulation of programmed cell death during development"Cell Death Differ. 9・11. 1273-1276 (2002)

  • [文献書誌] Takayanagi, H. 他: "Induction and Activation of the Transcription Factor NFATc1 (NFAT2) Integrate RANKL Signaling in Terminal Differentiation of Osteoclasts"Dev Cell. 3・6. 889-901 (2002)

  • [文献書誌] Inagaki-Ohara, K. 他: "Radiation-induced crypt intestinal epithelial cell apoptosis in vivo involves both caspase-3-dependent and-independent pathways"Dig Dis Sci. 47・12. 2823-2830 (2002)

  • [文献書誌] Nakashima, K., 他: "BMP2-mediated alteration in the developmental pathway of fetal mouse brain cells from neurogenesis to astrocytogenesis"Proc. Natl. Acad. Sci. USA.. 98・10. 5868-5873 (2001)

  • [文献書誌] Takizawa, T., 他: "DNA methylation is a critical cell-intrinsic determinant of astrocyte differentiation in the fetal brain"Dev Cell. 1・6. 749-758 (2001)

  • [文献書誌] Yanagisawa, M., 他: "Inhibition of BMP2-induced, TAK1 kinase-mediated neurite outgrowth by Smad6 and Smad7"Genes Cells. 6・12. 1091-1099 (2001)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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