研究課題/領域番号 |
13558095
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山本 光璋 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (40004618)
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研究分担者 |
片山 統裕 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (20282030)
中尾 光之 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (20172265)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 非侵襲生体情報計測 / 携帯型ポリグラフ / 低雑音 / 広帯域神経情報 / プログラマブル / 歯科治療 / 急速眼球運動予測性相動性電位 / 海馬θ波-PGO波同期現象 |
研究概要 |
認知神経科学や行動神経科学などの分野においては、自然の生活状態を含む諸々の環境下で生体情報計測を行うことが重要である。それを実現するための多チャンネル広帯域携帯型デジタルポリグラフシステムを開発し、その有効性を評価することが本研究の目的である。その仕様は、最大サンプリング周波数:1kHz、大容量フラッシュメモリカード装備、入力換算ノイズレベル:p-p2μV(300Hzまで)、チャネル数:24チャネル、本体重量:300g、連続計測時間:24時間以上、通過帯域・ゲイン:プログラマブル、刺激・計測・標本化パラメータ:適応的設定可、などである。回路はCMOSで製作した。製作は(株)ディジテックス研究所に依頼した。また、波形ビューアソフト及びデータフォーマット変換ソフトを製作した。さらに、ヒトおよび自由行動下の動物からの脳波計測実験を行ってシステムの有効性を確かめた。その成果を以下にまとめる。(1)睡眠障害などの不定愁訴を伴う歯科治療患者を対象とした計測実験を行い、治療前後で不定愁訴の改善が見られるかどうか客観評価を行った。その結果、ポリソムノグラフにより睡眠の質が改善していることが裏付けられた。(2)システムの広帯域特性・多チャネル特性を生かして、スパイク状の電位であるレム睡眠時の急速眼球運動に先行する電位(RAPPs)をヒトの睡眠脳波とともに多チャネルで計測した。併せて覚醒時のサッケードに先行するスパイク電位(PsSP)も比較のために多チャネルで計測した。これによりPAPPsとPsSPの生理学的発生源を突き止めた。(3)ラットの自由行動下の眼電図、海馬、脳幹の脳波を同時計測し、レム睡眠時の海馬θ波とPGO波および急速眼球運動の時間関係を明らかにした。以上の成果はいずれもディジタルポリグラフの広帯域特性、多チャネル特性、大容量特性によって初めてもたらされたものであり、医学・生物学分野での有効性が示された。
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