研究課題/領域番号 |
13558096
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福田 淳 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90028598)
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研究分担者 |
三好 智満 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70314309)
井上 徹 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60263282)
澤井 元 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20202103)
森 望 国立長寿医療研究センター, 分子遺伝学研究部, 部長 (00130394)
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キーワード | 網膜神経節細胞 / SCG10 / 軸索再生 / 微小管 / アデノウィルス / Bcl-2過剰発現マウス / アポトーシス / 海馬神経細胞 |
研究概要 |
本研究は、微小管の制御因子SCG10ファミリーを、アポトーシスを阻止した網膜神経節細胞に強制発現させることによって、in vitroで神経突起伸展に及ぼす作用を解明し、in vivoで視神経の再生を劇的に促進させることを目指している。昨年度に引き続き、SCG10ファミリー遺伝子をアデノウイルスベクターを用いて導入し、突起伸展効果を評価するための実験系の確立を目指した。具体的には以下の研究を行った。 (1)SCG10ファミリー遺伝子を神経特異的に導入するためのベクターコンストラクトの開発 (1)ElaE3-欠損型アデノウイルス5型ベクターのCMVプロモーター領域を神経特異的プロモーターに置き換えるため、SCG10の近位プロモーターにNRSE(element)を連結し、さらに、IRSE配列を介してLacZレポーター遺伝子とGFP(Green Fluorescent Protein)発現遺伝子を有するpXJ1CMV-LacZ/GFPに代替挿入した。 (2)このベクターにSCG10の微小管脱重合制御領域のリン酸化型および非リン酸化型コンストラクトを挿入し、293細胞に感染させて濃縮抽出した。 (3)培養海馬ニューロンおよび網膜神経節細胞にSCG10ファミリー遺伝子アデノウィルスベクターを感染させ、SCG10を強制発現させることに成功した。X-galおよび抗チューブリン抗体の免疫組織化学二重染色法によりSCG1ファミリー遺伝子を導入された神経突起を可視化したところ、導入細胞では顕著な突起の脱落・消失が認められた。 (2)成長円錐関連蛋白GAP43遺伝子を強制発現させるためのベクターコンストラクトを(1)〜(2)の方法で現在作成中である。 (3)Bcl-2過剰発現マウスの網膜から、予め逆行性に蛍光標識して置いた網膜神経節細胞をFACSで分離採取可能か否かを検討し、現在も継続中である。
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