細胞膜の膜電位は特に神経細胞や筋肉細胞などの興奮性細胞の情報伝達に重要な役割を担っており、膜電位を測定することはこれらの細胞の機能を研究する上で不可欠である。この研究の目的はGreen Fluorescent Protein(GFP)を用いて蛋白性電位センサープローブを開発し、in vivoで細胞膜の電位変化を可視化する技術を開発することである。 計画は2年度にまたがっており本年度の計画では電位プローブの開発を主に行うことになっている。 分子生物学的手法によりすでにクローン化していた電位依存性カリウムチャネルのcDNAに分子生物学的手法により2種類または1種類のGFPのcDNAを結合させ、原理的にFluorescent Resonance Energy Transfer(FRET)を用いる電位プローブとGFPの蛍光強度を電位によって直接変化させるタイプの電位プローブの2種類のグループのプローブを作成した。作成されたプローブはHEk293細胞およびHela細胞などの非興奮性細胞と筋肉細胞などの興奮性細胞にtransfection法により発現させ、高カリウム溶液またはガラス電極により膜電位を変化させたときのプローブのシグナルの変化をCCDカメラおよびレーザー顕微鏡を用いて測定し、プローブの生細胞内での性能を検討した。現在プローブの性能を上げるために各機能ドメインの結合部位の配列やつなぎ方の改良と調整を行っている。
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