研究課題/領域番号 |
13558102
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 賢 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (00322850)
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研究分担者 |
笹木 敬司 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00183822)
居城 邦治 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (90221762)
下村 政嗣 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (10136525)
松下 通明 北海道大学, 医学研究科, 助教授 (20250425)
藤堂 省 北海道大学, 医学研究科, 教授 (60136463)
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キーワード | 生体適合性 / フェムト秒レーザー / 光架橋 / 3次元微細加工 / 細胞 / 人工臓器 / バイオインターフェイス / パターン |
研究概要 |
1.新規生体適合性と光架橋性を併せ持つ高分子の合成 従来の光硬化性樹脂は生体適合性に劣るため、優れた生体適合性を有するポリメトキシエチルアクリレートと光架橋性基を有するグリシジルアクリレートやエポキシシクロヘキシルメチルアクリレートとの共重合体を新規合成した。これらの共重合体はいずれも光開始剤を用いることで架橋を起こし、有機溶媒に不溶となることを確認できた。架橋はエポキシ基の開環により進行することが分かった。これらの表面はヒト血液の活性化を引き起こさないことが明らかになった。 2.三次元微細光ファブリケーションシステムの設計 フェムト秒レーザーを光学顕微鏡に組み込んだ後、光学系の設定を行い2光子励起システムを立ち上げた。上記生体適合性高分子を用い、2光子励起で線幅1μmのライン構造を作製できることを確認した。1光子励起より2光子励起の方が空間分解能に優れていた。サブミクロンオーダーの造形を行うには、高分子の表面処理方法、未架橋高分子の洗浄方法が重要であり、レーザー出力設定や2光子吸収効率の良い光開始剤の設計が必要であることが分かった。また、3次元構造物を作製するため、XYZピエゾステージの作製を行った。 3.細胞培養系の確立 肝実質細胞、人血液細胞等の培養条件の設定を行った。表面パターンに応じた細胞形態変化や機能変化についての予備実験系の確立を行った。サブセルラースケールでの基材表面微細構造と細胞の接着、機能に著しく影響を与えることが分かった。特に生分解性高分子から構成されるハニカムパターンは孔径に応じて接着形態が大きく変化することを見出した。
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