研究課題
本研究は、これまでの外科手術マニプレータの研究成果の累積を踏まえて、これを術中断層像による視覚サーボ制御へと展開・発展させ、最終的には術中画像誘導型手術マニプレータシステムを開発することを目的とする。この中では特に、術中医用画像に基づく視覚サーボソフトウェアの開発、ネットワーク型自律分散システムの設計と開発、直感的かつ効率的なインターフェーシヤル技術の開発、動物及び臨床試験を介して臨床応用への可能性を検証しシステムの評価を行う。平成13年度は、次の二つの準備的な研究を遂行した。まず、手術マニプレータの開発:既存の手術マニプレータを改良し、ネットワーク分散型統合に適した機器・ソフトウェア構成を構築する。まず制御ボードをDSP搭載型制御ボードに変更し、これをリアルタイムOSが稼動する制御ホストに装備する。別に画像処理とインターフェースを兼ねたホスト(サンマイクロシステムズ社Ultra60)を設置し、制御ホストと視覚サーボ等の高度演算を行うホストを個別化することで、それぞれに適した機器・OS・ソフトウェア構成を構築した。各ホストをソフトウェア的に連結するミドルウェアとしてCORBAを採用した。以上の成果は平成13年コンピュータ外科学会で発表した。インターフェースホストでは高度グラフィクス及び画像処理機能を備えた画像支援ソフトウェアが稼動する。このインターフェースホストは画像診断装置(及びそれに付随するホスト)から術中画像を逐次取り込み、体外からは確認することのできない、マニプレータの体内の状況モニタリングを行う。当該ホストについては、臨床実験、特許申請を終えている。
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