研究概要 |
本年は,主に装置開発を主眼において研究を行った. 高スペクトル分解能化 CARSでは,分解能が悪いと重畳する非線形バックグラウンドによって得られる画像のコントラストが低下する.光パラメトリック増幅器を光源としたシステムでは,分解能が約cm^<-1>であったため,十分なスペクトル分解能が得られていなかった.そこで,キャビティ長を制御することで同期運転させた2台のチタンサファイアレーザを光源としたCARS顕微鏡システムを構築した.レーザの波長幅が約3cm^<-1>であるため,従来にくらべ約10倍波長分解能を高めることができる.実験的にも,高コントラスト化が確認された. 紫外励起 チタンサファイアレーザの第二高調波を励起源とすることができるように,光学系を設計しその構築を行っている.特に,短波長化に伴い,レーザ光を除去するための光学フィルターに高性能化が望まれる.現在,いくつかのフィルターを特注し,その性能試験を行っている. 波長可変ピコ秒レーザ 従来のピコ秒チタンサファイアレーザは,その波長走査に熟練を要するため,簡便に高速に波長走査することが望まれる.フェムト秒レーザ光を回折格子ペアを用いて分光し,そのスペクトルを制限することで波長可変ピコ秒パルス光を生成し,15nmの波長範囲を0.1nmの分解能で自由に波長走査できることを確認した.現在ピコ秒パルス光をCW光を励起光としたチタンサファイア結晶に通す増幅器を構築し基礎実験を行っている.
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