研究課題/領域番号 |
13558114
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
鵜川 眞也 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (20326135)
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研究分担者 |
平林 義章 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (30181184)
藤森 修 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (30128350)
島田 昌一 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (20216063)
植田 高史 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (90244540)
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キーワード | 味覚受容体 / アミロライド感受性陽イオンチャンネル / T2Rfamily / Oocyte Electrophysiology / カルシウムイメージング / 味覚修飾物質 |
研究概要 |
(1)塩味…ヒト舌上皮から塩味受容体遺伝子ENaCの全長をクローニングした。この遺伝子をアフリカツメガエル卵母細胞に発現させ電気生理学的に解析したところ、ジペプチドの1種が応答を増強することがわかった。現在、このペプチドの正確な構造決定を行っているところである。 (2)酸味…ラット舌有郭乳頭cDNAライブラリーから酸味受容体サブユニットASIC2bの単離に成功した。この蛋白はASIClaとヘテマーを形成し、3型味細胞に発現していることがわかった。また、ラットの鼓索神経の酸味応答を調べたところ、これらの遺伝子の特徴であるアミロライド感受性が記録され、実際にASIC2a/bが酸味応答に貢献していることがin vivoレベルで判明した(投稿中)。また、免疫組織化学法を用いて調べた結果、ヒト舌においても両者が乳頭に一致して発現していることがわかった。現在、機能解析中であるが、神経系に強く発現しているセリンプロテアーゼの1種Neuropsinがこの受容体の酸味応答を抑制することがわかった。 (3)苦味・甘味…両者の修飾物質検索のためには安定した受容体の発現系が必要である。我々は、すでに報告されていた苦味受容体T2RのHEK細胞を用いる発現系を用いて機能を調べたが思うように解析できなかった。そこで、味覚受容体と共役するG rotein(gustducin)とG alpha15とのキメラ蛋白を幾つか作成し、cotransfectionさせカルシウムイメージングを用いて解析したところ一つのキメラG proteinが苦味受容体と強く共役し、高率に応答を示すことがわかった(G proteinの活性化→細胞内IP3濃度の上昇→細胞内カルシウム濃度の上昇)。昨年、T2Rのサブユニットの組み合わせで甘味受容体が形成されることが報告されたが、我々の開発した系が甘味応答にも使えるかどうか、現在検討中である。
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