研究課題/領域番号 |
13558121
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研究機関 | 川崎医療短期大学 |
研究代表者 |
後藤 真己 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 教授 (50148699)
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研究分担者 |
望月 精一 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (60259596)
平松 修 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (50208849)
片岡 則之 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (20250681)
梶谷 文彦 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70029114)
小笠原 康夫 川崎医療短期大学, 医学部, 助教授 (10152365)
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キーワード | 電気インピーダンス計測 / 培養内皮細胞 / ずり応力 / 細胞間隙 / 実時間解析 |
研究概要 |
本年度は、電気インピーダンス計測(ECIS)用の平行平板型フローシステムの改良を行い、さらに円筒型電極アレイの作製を試みた。 改良を行ったECIS計測用平行平板型フローシステムでは、電極アレイとコネクターとの接続を容易にし、細胞が増殖した電極アレイをインキュベーターから取り出してシステム設置に要する時間を10分程度までに短縮することが出来た。その結果、フローシステム構築後、静置状態でインピーダンス計測を行ったところ、インピーダンス値の復帰に要する時間も軽減され、細胞に対する傷害が大幅に軽減することが出来た。またさらに、インピーダンス計測と同時に経時的に顕微鏡画像を取り込むシステムを追加し、細胞層のインピーダンス変化と細胞形状を経時的かつ複合的に観察するシステムの構築を行った。製作したフローシステムを用いてウシ大動脈由来内皮細胞に、流れを負荷したところ、流れ負荷直後に急激にインピーダンスが上昇し、30分程度後にはほぼ基のレベルに低下し、さらに元のレベルよりも低い値にインピーダンスが低下した。流れ負荷10〜16時間後には、逆にインピーダンスが元の値よりも高くなった。この段階では、内皮細胞の形態変化がほぼ終了し、流れの方向に細長く伸長していた。この状態は、生体内においては血流が安定し、動脈硬化の非好発部位に観察されることから、内皮細胞が流れの方向に細長く伸長した状態では、内皮細胞のバリヤー機能も上昇していることがわかった。 生体内細胞インピーダンス計測にも応用可能な円筒型電極アレイシステムは、円筒内面にスッパタリングで電極を配置し、なおかつ外部に電気信号を取り出すシステムが作製出来ず、実現には至っていない。
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