研究課題/領域番号 |
13571003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
美学(含芸術諸学)
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研究機関 | 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所 |
研究代表者 |
勝木 言一郎 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 美術部, 主任研究員 (50249918)
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研究分担者 |
宮下 佐江子 古代オリエント博物館, 研究員 (80132760)
高桑 いづみ 独立行政法人文化財研究所, 東京文化財研究所・芸能部・音楽舞踊研究室, 室長 (60249919)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 音楽図像 / 敦煌壁画 / 阿弥陀浄土変相 / 観経変相 / 舞楽段 / 有翼人物 / パルミラ / 楽器 |
研究概要 |
阿弥陀浄土変相や観経変相は阿弥陀仏の居所である極楽浄土の景観を表象した図像である。これらの図像は6世紀半ば、中国において成立し、やがて浄土教の隆盛とともに、東アジアや中央アジア東部一帯へと伝播した。当時の中国人は極楽浄土のイメージを演出するために、さまざまなモチーフを用いてきた。それらの図像を分析すると、中国固有のモチーフおよび外来、とくに西方からのモチーフが混在していることが明らかになってきた。しかし中国以西における諸民族の文化圏を「中国からみた西方的要素」と一概にすることは、それらの文化的特質に対する理解を平準化することにつながり、かえってそれぞれの本質を見えにくくしてしまう恐れがある。むしろ西方的な要素を相対化させることが必要であろう。そこで本研究では極楽浄土のイメージ形成の一翼を担った音楽図像に対象に、その伝播の動想を考察した。具体的な成果は以下の通りである。 勝木は主として敦煌壁画に取材し、阿弥陀浄土変相や観経変相などに描かれた音楽図像とその意味、中国における共命鳥のイメージについて考察を行った。また建築史研究者の協力を得て、社寺建築の建築意匠にみる音楽図像の研究をすすめた。さらにガンダルヴァ・キンナラ・ガルダなどインドに起源をもつ有翼人物像について、中央アジアのほかに東南アジア経由の伝播も視野に入れて、考察を続けた。 宮下は極楽浄土の淵源を西にたどる意味から、西アジア考古遺物に取材し、西アジア一帯に広がる音楽図像、とくに有翼人物像について考察を行った。 高桑は古楽器を調査してきた音楽史研究者の立場から、中国における音楽図像あるいは楽器をもとに、中国楽器の「漢」と「胡」の要素を考察した。
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