研究課題/領域番号 |
13571009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
耳塚 寛明 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (40143333)
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研究分担者 |
苅谷 剛彦 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60204658)
樋田 大二郎 聖心女子大学, 文学部, 教授 (80181098)
岩木 秀夫 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (90114389)
大多和 直樹 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助手 (60302600)
金子 真理子 東京学芸大学, 教員養成カリキュラム開発研究センター, 助教授 (70334464)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | メリトクラシー / 国際比較調査 / シンガポールの教育 / イギリスの教育 / 進路意識 / 教育社会学 / 選抜・配分機能 / 教育アスピレーション |
研究概要 |
本研究の目的は、1990年代に日本の後期中等教育で推進された新自由主義的な教育政策の導入の帰結を、「メリトクラシー規範の弱体化」というキーワードのもとに検証することにある。具体的には、新自由主義的な教育政策導入の先駆的存在でありながら現在メリトクラシー規範の再構築を目指しつつある米・英と、メリトクラティックな教育政策を堅持するシンガポールとの国際比較により、日本の教育政策の功罪を浮き彫りにする。 この研究目的のもと、後期中等教育政策の比較、教員インタビュー調査、資料収集調査、生徒質問紙調査(既存データの再分析を含む)を行った。生徒質問紙調査は日本・イギリス・シンガポールで行った。有効回収数はそれぞれ1271、452、1288である。 国際比較から浮かび上がる日本の後期中等教育のあり方を中心に、主要な知見とインプリケーションをまとめれば概略以下の通りである。 日本の教育政策により、青少年を受験競争から解放するという目標が一定程度達成されたのは確かである。 しかし第一に、改革がもう一つ目指していた受験競争の敗者の救済のレベルでの成果はあがっていない。また第二に、脱受験競争の動きはあらゆる生徒におよんだわけではない。学業達成や職業達成をめぐる意識と行動が、上位トラックと下位で二極分化する様が改めて浮き彫りになった。また第三に、教育システム内外での選抜と競争について、社会的背景による機会と結果の平等性、過程の公平性と透明性の点でメリトクラティックな認識が弱いことが明らかになった。受験や競争を否定する言説の浸透などによって、選抜・競争の正当性が失われてきた可能性があるのである。しかも第四に、競争と選抜の過程に社会的背景がもちこまれている徴候が確認された。これらの点は、昨今の教育政策の表層的評価に警鐘を鳴らすと同時に、多面的な調査研究の継続が望まれることを示している。
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