研究概要 |
本研究で計3回予定している本現地調査のうち,本年度は,第2回,第3回目の現地調査を行った。第2回目は,平成14年10月16日から11月1日にかけて中国雲南省臨滄地区臨滄県・双江県、第3回目は平成15年3月12日から3月28日にかけて中国雲南省保山地区騰沖県にて現地調査を実施した。前者の調査は、〓族(〓旺大寨・臘東村)、拉〓族(南楞田村)、〓族(布京村)を直接の調査対象とし、それらが属する上位の行政機関(臨滄県林業局・民族宗教局、南美郷・章駄郷政府,〓旺・南美・布京の各村民委員会)に対するインタビュー調査も行った。調査団は研究代表者と研究分担者の比嘉政夫、研究協力者として杉浦孝昌・時雨彰、海外共同研究者として中国雲南省社会科学院民族研究所の鄭暁雲・鄭成軍・和鳳菊・陶志剛、同文学研究所の張雍徳、広東省民族研究所の馬建〓、の計10名構成であった。後者の調査は、〓〓族(沙家〓村)、〓族(荘家寨)を調査対象とし、それらの上位行政機関(騰沖県林業局・民族宗教局・水利局、猴橋・荷花郷政府,猴橋・汪李村民委員会)に対するインタビュー調査も行った。調査団は研究代表者と研究分担者の比嘉政夫・上田信、研究協力者として杉浦孝昌・時雨彰、海外共同研究者として鄭暁雲・和鳳菊・陶志剛・張雍徳・馬建〓、の計10名構成であった。 本調査の主要テーマである森と水に関する少数民族の文化に焦点を当て,調査項目は大きく,1.村落社会における森林政策・制度の影響、2.村落の歴史と自然環境の変遷,3.森林利用とその結果(生業活動の実態と慣習法、)、4.世界観(民族固有の世界観・環境認識)の4つを設定し、調査員を4班に分けてそれぞれのテーマを分担した。現在調査結果を整理中であり,その不備な点を明らかにするため、来年度6月の補足調査を実施する予定である。さらに10月には東京で、中国側共同研究者と共に,本調査研究に関する公開シンポジウムを開催する予定である。
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