研究概要 |
本年度は,一昨年度・昨年度の2年間で計3回行った現地調査のうち、第1回と第2回調査に関する補足調査を、9月6日〜20日の日程で行った。第1回調査(平成14年3月)の調査地である雲南省西双版納自治州〓海県〓遮郷曼来村(〓族)、布朗山郷吉良村(布朗族)、巴達郷曼来老村(哈尼族)、第2回調査(平成14年10月〜11月)の調査地である雲南省臨滄地区臨滄県章駄郷〓旺大寨・〓東村(〓族)、南美郷南楞田村(拉〓族)および双江県沙河郷布京村(〓族)を再度訪問し,補足調査を行った。また、それら自然村が所属する末端行政機関である村民委員会に対するインタビュー調査も行った。調査団は研究協力者の杉浦孝昌・時雨彰、海外共同研究者の中国雲南省社会科学院民族研究所の鄭暁雲・鄭成軍・和鳳菊・陶志剛の計6名構成であった。 調査内容は補足調査という性格上,これまでの本調査と変更は無く,本調査では不完全な情報しか得られなかったデータをより完全なものにするよう努めた。つまり本調査研究の主テーマである森と水に関する少数民族の文化に焦点を当て,調査項目は大きく,1.村落社会における森林政策・制度の影響、2.村落の歴史と自然環境の変遷,3.森林利用とその結果(生業活動の実態と慣習法、)、4.世界観(民族固有の世界観・環境認識)の4つを設定し、調査を行った。 10月18日には東京・國學院大学渋谷キャンパスで、中国側海外共同研究者7名と共に,これまでの調査研究成果を途中経過ながら一般に還元するために、本調査研究に関する公開国際シンポジウム《中国雲南少数民族文化と森林保護》を開催し、約100名の参加を得た。
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