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2003 年度 実績報告書

ロシア極東少数民族の伝統的生業と居住形態に関する民族考古学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13571036
研究機関東京大学

研究代表者

大貫 静夫  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (70169184)

研究分担者 佐藤 宏之  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50292743)
佐々木 史郎  国立民族学博物館, 民族学研究開発センター, 助教授 (70178648)
浅川 滋男  鳥取環境大学, 環境情報学部, 教授 (90183730)
キーワードロシア極東 / 民族考古学 / 生業 / 居住形態
研究概要

本研究は極東地域の民族考古学的研究を目指したものである。
今年度の野外調査は二班に分かれておこなわれた。一つの班は、夏季7月にサハリン島を訪れた。南北に細長いため、生態系がまったく異なり、民族誌時代においても、南部には北海道とつながるサハリンアイヌが住み、中部にはトナカイ遊牧で知られたオロッコがおり、北部には海獣猟で知られ、間宮海峡を挟む南北に住んでいたニブヒがいるところであり、生業や居住形態でも大きく異なることが知られており、これらの相関関係について調査した。縄文時代や続縄文時代の遺跡が知られている、サハリン南部は北海道と同様の落葉樹林帯の生態系であるが、中部では針葉樹林帯となり、さらに北部ではツンドラ地帯となることが、民族誌時代の各民族の分布や生業、考古遣跡の分布と大きな相関を持つことを確認した。とくに、サハリン北部に見られるツンドラは対岸のアムール川流域でのこれまでの踏査では見られなかった生態系であり、極東における特異な地域であること確認した。このことが極東先史時代の生業や居住形態を考える際には重要な意味を持つ。もう一つの班は昨年度に続いて、沿海州のクラスニー・ヤール村を11月末から12月初に訪れて、狩猟関係の補充調査をおこなった。
それから、今年度は本研究計画の最終年度にあたるため、サンクトペテルブルグなどに赴き、各博物館、研究所に収蔵されている極東各地の民族資料の調査や居住形態に関する考古学資料についての資料収集をおこなった。
これまでの調査研究成果により、居住形態と生業そしてその背景としての生態系との間には強い相関が認められた。そして、従来指摘した定着性の高い小規模分散型居住に加え新たに、移動性の高い大規模集住型居住形態モデルを提示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 大貫 静夫: "東北アジア食料採集民の食料的基盤"国際シンポジウム『東アジアにおける新石器文化の成立と展開』予稿集. 43-51 (2003)

  • [文献書誌] 佐藤 宏之: "アムール流域先住民の植物利用に関する民族考古学的研究"第5回北アジア調査研究報告会発表要旨. 47-51 (2004)

  • [文献書誌] 佐藤 宏之: "ロシア極東少数民族の狩猟について"法政考古学. 30. 543-560 (2003)

  • [文献書誌] 佐藤 宏之: "サマギールの生業活動"アイヌ文化の成立. 613-627 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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