本研究はメコン川下流部平野の地形の特色と洪水の挙動を明らかにするとともに、平野の形成史を解明することも目的とする。初年度である平成13年度は、人工衛星データの入手とともに、カンボジアにおける地形図・空中写真の入手・判読、関係資料収集、地形ならびに洪水状況に関する現地調査をおこなった。 現地調査は2001年9月と、2001年12月〜2002年1月の2回実施し、カンボジア現地機関における資料の入手とともに、プノンペン周辺で地形・洪水調査をおこなった。また、2001年9月にはシンガポール国立大学リモートセンシング研究所(CRISP)の研究者と情報交換・協議をおこなった。 空中写真はカンボジア国内メコン委員会(CNMC)においてプノンペン周辺地域のものを購入し、また地形図はメコン川沿いの1960年代のものを現地書店において購入した。さらに、カンボジア国公共事業・交通省において最新の地形図のGISデジタルデータの提供を受けた。人工衛星データについては、シンガポール国立大学のリモートセンシング研究所のブラウザを用いて、フランスのSPOT衛星による画像の整備状況を確認し、日本の代理店経由で2000年9月の洪水時の画像を入手した。 これらのGISデータならぴに人工衛星データの解析のため、パーソナルコンピュータならびにGISソフトウエアを導入した。既存資料の解析をもとに2001年8月に国際地形学会議大会(ICG)において予察的な報告をおこない、また、中間報告を2002年3月に日本地理学会春季大会でおこなう予定である。
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