研究課題/領域番号 |
13572001
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮本 みち子 千葉大学, 教育学部, 教授 (60110277)
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研究分担者 |
イト ペング 関西学院大学, 総合政策学部, 助教授 (30285506)
江上 節子 産能大学, 経営情報学部, 助教授 (50278032)
岩上 真珠 明星大学, 人文学部, 教授 (70213270)
北村 安樹子 (株)ライフデザイン研究所, 研究員
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キーワード | 青年期 / 若年雇用 / 青年政策の国際比較 / 若者の自立支援 / 教育制度の国際比較 / 家族政策の国際比較 |
研究概要 |
本研究は、高学歴化、失業・無業者増大、晩婚婚・非婚化などの特徴を有する先進諸国の若者の実態と、青年政策の展開を明らかにすることである。この目的を達成するため、イギリス・スウェーデン・イタリアの3カ国において、主に、就業行動、教育過程、結婚・家族行動に焦点を当てて実態を把握するとともに、各国の青年政策の動向を追い、日本との比較を試みる。3年計画の初年度である2001年度は、主にイタリアに焦点を当てた。前半期はイタリアに関する資料収集、および次年度以後予定しているイギリス・スウェーデンをはじめ、先進国における著者の実態に関する資料や研究文献の研究を進めた。これらの準備段階を踏まえて、11月30日〜12月14日の15日間イタリア調査を実施した。内容は、統計資料や研究文献の収集、フィレンツエ大学研究者との情報交換、行政青年政策担当者に対する聞き取り調査、さらに大学生のインタビューである。フィレンツエ大学では、社会政策学部のキオーニ教授を中心とする大学スタッフらとの情報交換を重ねると共に、共同シンポジウムを開催した。シンポジウムでは、まず当方から日本の若者の実態に関する報告をした後、日伊の若者の実態に関する意見交換をおこなった。つぎに、エミリオ・ロマーニャ州庁において、青年政策捜当者へのヒヤリングを実施した。この地を選択した理由は、近年本州がヨーロッパの中でも青年政策のモデル地区として評価されているからである。イタリアに限らずヨロッパ諸国では、著者は"忘れられた存在"であるという認識が高まっている。その中で、本州は若者の正常な生活を保障する法律として1996年に制定された第21条にのっとり、若者の生活をトータルに保障するための諸制度が整備されてきた。これらの展開はその後他の州にも影響を及ぼしつつある。ドイツ、フランスでも同様の問題意識に発した青年政策が展開しており、調査する必要があるという情報が得られた。今年度は3年計画の初年度であることから、イタリア研究に関しても未解決な課題が多い。次年度以後、イギリス、スェーデンへと広げながらも、イタリアに関する研究も更に続行する予定である。
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